男性にとっては、淡い恋心だった。相手を素敵だと思えばこそ、ちょっとした交流がうれしく、想いは募る。しかし女性の側は、男性の視線に、言動に、距離の取り方に違和感を覚えていた。それがうっすらとした恐怖に変わっていく――。
理系女ちゃん(@rikejo_chan)さん(以下、敬称略)が今年2月にX(旧Twitter)で発表した『先輩は綺麗な人だった』が、大きな反響を呼んだ。ひとつの出来事をめぐって、男性側から見えているものと、女性側から見えているものは、こんなにも違う。
ストーカーやセクハラにおいて、「恋愛だと思っていた」「加害するつもりなどなかった」というのは加害者の常套句(じょうとうく)だ。おそらく本気でそう思っている。これも、見えている世界が違うから起きていることではないか。相手とのコミュニケーションがすれ違っていることに気づかず、気持ちを押し付け、行動に移す。
本記事では、『先輩は綺麗な人だった』を全篇掲載。コミュニケーションの問題からくる恋愛トラブルや、ハラスメントについて、著者の理系女ちゃんに話をうかがった。