手数料が無料?新興国通貨の為替手数料は、イメージに注意!

ドル建ての投資を行っている投資家は、自身のコスト感覚に注意する必要がある。例えば ドルベースの為替手数料の水準を、自分の基準にしてしまう例が考えられる。ドルベースの為替手数料1.5円は 1.36%である。

1.5円÷110.25円(USDJPY)=1.36%

これをトルコ・リラなどにも同じイメージを適用してしまい、1.5円なら1.5%弱とイメージしてしまう。しかし、トルコ・リラであった場合には12.3%にもなっていることを認識していない場合も考えられるのだ。

為替手数料のコスト計算では、対円での水準で割り、パーセンテージに引き直して考える必要がある。

【債券購入時の注意点】
債券の売買手数料は無料や安価に設定されているのが一般的だが注意点がある。債券は主に「相対(あいたい)」による取引のため、セールスー時点での債券価格自体が既に上乗せされている。プロの相対取引マーケットで97のものが、例えば100や103でセールスされているイメージだ。マーケットに直接携わっていない担当者は、本部から提示された水準が既に上乗せされた水準であることに認識が無く、「債券の手数料は安価だ」と信じてセールスを行っている場合も多いだろう。担当者に悪気があるわけではないが、上乗せのコスト高は投資家が負担することになる。

新興国債券への投資をどう考えるべきか

今回のような1日で20%も為替が変動する、新興国債券への投資をどう考えるべきなのか?筆者は著書で外国株や日本株、REITなどの投資カテゴリーに対するコメントを行っている。新興国債券については以下のコメントを挙げた。

  • カントリーリスクが大きい
  • リスクの割にリターンが優れているとは言い難い
  • 流動性(換金性)のリスクが大きい  そして、著書の前半で述べている「iDeCoで選択すべき低コスト投信」のラインナップには、「新興国債券」カテゴリーからは1件もノミネートしていない。

    トルコ・リラ、通貨選択型を選ぶ理由は?

    トルコ・リラ通貨を選択した投信の価格は大幅に下落している。そもそも、通貨選択型投信はわかりにくい構造で、投資家がリスクを正しく判断できないから販売員に「任せる」と思うような商品構成だ。自己の判断をあきらめさせて契約する目的としたのでは?と疑ってしまう。

    行動経済学的にいえば、複雑な投信は「情報過多」の状況に投資家を置く。投資家自身では複雑でとてもリスクが何なのかを判断できなくなってしまう。自分では判断できない状態を「恥ずかしい」と考えてしまったり、「断わると悪い」「セールスが勧めてきた」「よくわからないから、それで」と思ったりする。その結果、判断を放棄して投資決定してしまう場合も多いのではないだろうか?

    自身で判断できないので販売者が勧めてきた、という「責任転嫁」に逃げたい気持ちがあっても、損失発生の場合、その損失は投資家が抱えるのであって、担当者ではない。正しい知識を持って自分の身を守ってほしいと思う。

    文・安東隆司(CFPRファイナンシャル・プランナー)/ZUU online

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