皮膚科でもらえる美白・美容内服治療薬
ここからは実際に皮膚科で処方してもらえる美白・美容内服治療薬をご紹介します。ただし、ここでご紹介するのは、あくまで一例なので、参考程度にご覧くださいね。
美白・美容内服治療薬1:シナール
ビタミンCとパントテン酸(ビタミンB5)を配合した複合ビタミン剤であるシナール。通常、病気や妊娠中、授乳中などビタミンCやパントテン酸が不足している場合の補給役として用いられます。
ビタミンCはシミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、シミやそばかすができるのを防ぎます。合わせてビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する効果にも期待ができます。また、パントテン酸は糖分、脂質、タンパク質の代謝を促し、粘膜を正常に保つ効果があります。
- ●シミ・そばかすの予防と改善
●肌質改善(ハリ感UP)
●美肌効果
シナールの副作用
シナールの副作用には、胃の不快感、むかつき、吐き気、下痢などが挙げられます。
症状は一時的で、多くは服薬を続けているうちに気にならなくなります。しかしあまりに症状が酷い場合は、一度医師に相談することをおすすめします。
美白・美容内服治療薬2:トラネキサム酸
基礎化粧品などにも配合されている美容成分であるトラネキサム酸。こちらは人工的につくられたアミノ酸の一種で、服薬することで炎症を引き起こす物質であるプラスミンの作用を抑えます。
肝斑の治療に広く用いられる薬なので、なかにはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。トラネキサム酸の内服薬はジェネリック品も取り扱いがあります。容量については今の肌の状態に合わせて、医師に相談した上で決めることをおすすめします。
- ●シミ・そばかす・肝斑の改善
●ニキビ跡の改善
トラネキサム酸の副作用
トラネキサム酸の副作用として、皮膚のかゆみや食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、胸やけなどが挙げられます。加えてトラネキサム酸には血液凝固作用があるので、持病で血栓を持っている方や妊娠中の方、ピルを常用している方、腎不全の方は服用できません。
最近は月経痛緩和を目的にピルを常用している方も増えています。「美肌・美容のために」と間違っても併用しないように気を付けてくださいね。
美白・美容内服治療薬3:ビフロキシン配合錠
女性の肌悩みのひとつに挙げられるニキビの予防や改善、肌荒れの改善に効果を発揮する内服薬がビフロキシン配合錠。こちらの薬は、タンパク質や脂質のターンオーバーを促進することで、ニキビ予防や湿疹、ニキビによる色素沈着などに効果を発揮します。
またビタミンB2やB6が含有されており、抗炎症作用の効果にも期待ができます。肌荒れはもちろんですが、口内炎の予防や治療などに使われることもある薬です。
- ●ニキビ予防・改善
●肌荒れの改善
ビフロキシン配合錠の副作用
主な副作用として、手足のしびれや知覚異常などが報告されています。基本的には一時的なもので、時間を置くことで症状が治まります。しかしどれだけ時間が経過しても症状が治まらない場合などは、すみやかに医師に相談することをおすすめします。
美白・美容内服治療薬4:ハイチオール
皮膚や髪、爪のもととなるタンパク質を構成するアミノ酸の一種であるハイチオール。ビタミンCと一緒に摂取することでシミの原因になるメラニンの生成を抑制。肌に沈着した黒色メラニンを無色化します。
またハイチオールは肌のターンオーバーを正常化させる効果にも期待ができます。根気強く服薬を続けることで、毛穴のつまりを解消し、ニキビなどの肌トラブルも改善します。
- ●肌のターンオーバーを正常化
●肌トラブルの改善
●毛穴詰まりやニキビの改善
●シミ・そばかすの改善
ハイチオールの副作用
ハイチオールを服薬することで、むかつきや下痢、口の渇き、軽度の腹痛などの副作用が生じる可能性があります。
ハイチオール自体は副作用が生じにくい薬なので、これらの副作用が生じることは非常に希です。もしハイチオールの服用に伴い副作用が生じた場合は、早めの受診をおすすめします。
美白・美容内服治療薬5:ユベラ
ビタミンEを主成分とし、トコフェロール酢酸エステルという有効成分を含んでいるユベラ。服薬することでシミやそばかすなどの改善、また美白・美肌効果に期待ができます。
またユベラは抗酸化作用を持つ医薬品なので、服薬を続けることでシミのできにくい肌に肌質そのものを改善することができます。
- ●シミ・そばかすの改善
●美白・美肌効果
ユベラの副作用
ユベラを服用することで、便秘や胃の不快感、下痢、発疹などの副作用が生じる可能性があります。但し、副作用の発現率は1%未満なので、過度に心配する必要はありません。
美白・美容内服治療薬は保険適用外?
美容目的で美白・美容内服治療薬を処方してもらう場合、例え受診先が皮膚科であっても原則的には保険適用外の自費診療となります。と言いますのも内服薬は治療を目的として処方するものであり、美白・美容での処方は必ず必要なものではないからです。
一方で、ニキビや肝斑、炎症後色素沈着の治療として内服薬が処方された場合、保険が適用されることもあります。しかし、いずれにせよ保険適用の範囲で処方できる薬には限りがあります。トラネキサム酸がその分かりやすい例のひとつで、仮に肝斑の治療を目的とした処方であっても保険適用外となります。
美白・美容内服治療薬を服薬する際の注意点
美白・美容を目的に薬を服用する場合の注意点は副作用と薬の飲み合わせです。副作用については、多くの場合、一過性のものとなりますので服薬を続けている内に症状が緩和されます。
しかし飲み合わせについては間違えると、ご自身の体調を損ねる原因になりかねません。特に日頃から持病の治療などで服薬している方は要注意。ネットなどで自己判断による薬の取り寄せは非常に危険。必ず医師に相談した上で、飲み合わせ問題がクリアにできる薬のみを服用しましょう。
まとめ
以上、本日は美白・美容内服治療薬に関する情報をまるっとご紹介しました。肌が弱い方でも手軽に肌質改善が望める美白・美容内服治療薬ですが、誰もが服用できるわけではありません。
普段飲んでいる薬の種類によっては、服用できない薬があることを覚えておきましょう。美白・美容内服治療薬の服用を検討する際は、ネットなどで自己判断による薬の取り寄せをするのではなく、必ず医師に相談した上で、自分にあった薬の服用をしましょう。