◆国政とは切り離せない都政
一方の蓮舫さんは、立憲民主党を離党する意向を示しています。知事など地方自治体の長は党派性を超えて、さまざまな人の代表として知事職につくわけですから、党を離党して無所属で出馬することはよくあります。
大阪府知事の吉村洋文さんのように、維新の会に所属したまま知事をしている人もいるので、必ず無所属でなければいけないということはありません。公約などはこれから叩き上げていくということですが、出馬表明の会見で明確に言っていたのは、「反自民」「非小池都政」というキーワードでした。
自民党の裏金問題は地方議員も含めた党全体の問題です。その自民党と連携している小池知事に今後の都政を任せられるか? という意味で“小池都政をリセット”すると表明しています。
これに対し、地方自治体に国政の状況を持ち込むべきではないとの批判もあります。だからこそ、立憲民主党を離党し、無所属で出馬するということではあると思いますが、地方自治体とはいえ東京都レベルの知事になったときに、国政と全く無関係ではいられないと思います。
一方、今国会では地方自治法の改正もあり、むしろ国のほうが地方自治を弱める方向で動いているのでは? という批判もあります。今、地方自治と国政の関係について議論するのは大事なタイミングだと思います。
小池都知事も、元国会議員です。前述したように自民党と喧嘩すると言って都知事選に出馬、当選。その後、自民党の二階元幹事長や萩生田自民党都連会長とは良好な関係を保ちながら東京五輪などの国家レベルのイベントでも存在感を発揮してきました。国政を持ち込むなという批判は、小池さん側からは持ち出せないとは思います。