◆息子の「もう死にたい」にショック
――ご自身や息子さんの不登校の体験を、漫画に描こうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
最上:3年くらい前に、この作品の原型のような漫画をXに投稿したんです。反響が思った以上に多く、200人くらいだったフォロワーが1日で1万人くらいになりました。
こんなに興味がある人が多いんだとビックリしたし、「不登校で悩んでいる人が多いのかな」と、本気で描いてみようと思いました。その頃描いた漫画を書籍化できないかと編集者さんに相談して、この本が生まれました。
――当時は読者からどんな反応があったのでしょうか。
最上:小学校3年生の息子が学校に行きたくないと言い出したとき、「死にたい」と言ったことに皆さん注目されたようでした。私自身、その言葉を聞いたときはショックが大きかったです。母親が隣にいるのに「この世から消えたい」というのは、私が支えになっていないということですから。「それくらい今この子はつらいんだ」と衝撃を受けました。
でも同時に、子どもからのSOSだと受け取ったので「ショックで終わらせちゃいけない、何が原因でこうなったのかしっかり考えなければ」と思いました。
――前兆はあったのでしょうか?
最上:それまでは学校の話をしてくれたり普通に過ごしていたのですが、本当に急に言い出したんです。漢字の書き取りの宿題を「できない、文字が書けない」と言い出して、「何かおかしい」と思いました。
「学校の先生が怖い、怒られる」と言っていたけど、本人が怒られたことはないんです。クラスの元気過ぎる子に先生が強めに注意するのを見て「自分もそうされるんじゃないか」と受け止めていたようでした。