◆健康食品に散財する母
「それからです、サルノコシカケにキトサン。1回何万円もする、酵素風呂のチケット。仏壇にホコリが積もるのと比例して、謎の健康食品が家のなかにあふれていきました」
佳子さんの目には、「私の友人が、これで治ったのよ……!」と耳元でささやかれて母が財布のひもを解く光景がうかぶ。
「母はもともと、民間療法や健康食品にまったく興味のない人でした。オカルト系の不思議な話も、鼻で笑い飛ばすタイプ。でも、噂や口コミに弱いところもあったのかもしれません」
「私はインフルエンザワクチンの集団接種世代なんですが、一部の新聞で、学童期の予防接種はしなくても問題ないみたいな記事が出たことがあったんですよね。それを目にしただけで、即『あなたたちは、もう予防接種受けなくていい』みたいになりましたから」