でも、母が亡くなってからは「あんなことを言わなければよかった」とか「あのときもうちょっと優しくしてあげればよかった」とか、そういうことばかり思い出しますよ。何年たっても忘れられなくて、自分を責め続けることになる。
だから、親と程よく距離を取るのは重要ですよね。自分のためにも、後悔するようなことはしない方がいいのだと思います。
◆依存症になりやすい人、6つの特徴
――おおたわさんのお母さんは痛み止めの常用から薬物依存となってしまいました。「強い痛み止めを使ったからといって誰もが薬物依存になるわけではない」と本にありましたが、どんな人が依存症に陥りやすいのですか?
おおたわ:依存症になりやすい人には6つの特徴があると言われています。
①自己評価が低く自分に自信が持てない
②人を信じられない
③本音を言えない
④見捨てられる不安が強い
⑤孤独でさみしい
⑥自分を大切にできない
これは、埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也先生が挙げていらした特徴です。母もまさしくこういう人でした。
アルコールや薬物以外にも、拒食や過食、暴力、買い物、セックス、窃盗などの依存症にも共通します。
◆窃盗をやめられない人も依存症
――窃盗に依存する人もいるのですね。人のものを無断で使い、返してくれない人がいて、困った経験があります。
おおたわ:クレプトマニア(窃盗症)も依存症の一種で、生きづらさを感じている人が、それを埋めるために人のものを盗ってしまうと考えられています。お店で万引きするほかに、学校内や会社内で盗みを繰り返すような人もいます。証拠があっても本人が認めなかったり、治りづらいと言われていて、クレプトマニアだけを専門にする先生もいるくらい。
治療は一筋縄ではいかないかもしれませんね。日本は、病的窃盗で繰り返し刑務所に入ってくる人が男性も女性もすごく多いです。
◆依存を責めることは逆効果