◆夫の優しさを素直に受け取れない毒母育ちの娘
――そんな金山さんですが、家事も育児も積極的にしてくれる優しい男性と結婚しましたよね?
旦木:はい。しかし母親から暗に『あんただけ幸せになることは許さない』という圧を受け、『幸せになってはいけない』と常に不安に苛(さいな)まされていました。幼い息子さんが入院したときには、育休をとってくれるという夫の優しさを素直に受け止められず、夫に当たり散らしてしまいました。
――家族から優しくされたことがないので、どう受け取ってよいか分からなかったんですね。毒母経験は、金山さんとお子さんとの関係に、どのような影響を及ぼしたのでしょうか?
旦木:子どもが生まれてからの金山さんは、子どもの泣き声やわがまま、抱きつきなどに対し、ずっと拒否反応を起こしていたそうです。母親からいつも怒鳴られて育ったので、自分の子どもたちを冷静にれないことが多く、子どもたちとの関わり方に悩むようになりました。そして、「なんで私はこんなに上手くできないんだろう?」と自分を責めるように……。
――金山さんはどのように子育ての葛藤を乗り越えて行ったのでしょう?
旦木:子どもたちを叱らなければいけない場面では、夫に叱るのを交代してもらったり、夫に子どもたちを甘やかしてもらったりと、夫と協力して、自分が母親から受けてきた毒母を連鎖させないように努力しています。
自分の母親が毒母だったと気付いてからは、母親と距離を置き、夫だけでなく公的な子育て相談などを利用しながら子どもたちに向き合っています。