◆別れの日。咳き込むような症状が見られ……
しかし、別れの日は着実に近づいていました。ある日、食欲はあるものの便が2日ほど出ず、咳き込むような症状が見られたのです。翌日も抱き上げるとむせるような呼吸をしたため、かかりつけ医へ。
「大丈夫?」と声をかけながら徒歩で病院に向かっているときには首輪に付けている鈴の音が鳴っていましたが、病院でキャリーケースを開けると、焦点を失った目で息絶えた愛猫の姿がありました。
診察中だった獣医師はすぐに対応してくれ、蘇生処置の決断を飼い主さんに委ねました。もし助かっても、今まで通り元気でいられるのか。延命はエゴではないのか。そう考え一瞬、心は揺らぎましたが、口から自然に出たのは「蘇生処置してください」という願い。
それを聞き、獣医師はすぐ心臓マッサージや人工呼吸などを実施。しかし、小さな命は戻ってきてくれませんでした。