直也さんの言っていることは最もだし、欲しかったシールを手に入れられたことは嬉しかった彩芽さんでしたが、なんだか釈然(しゃくぜん)としない気持ちになったそう。
「なんだろうこの違和感は?と考えてみたら、私は確かにお気に入りのキャラのシール目当てにハッピーセットを買ったけれど、別にそのシールだけが欲しかった訳じゃなくて、おみくじを引くような感覚で、その日の私にピッタリくるキャラが出るかも?とそのシチュエーション自体を満喫しているというか…
そこでお気に入りのキャラが出たらとても嬉しいけど、そうじゃないキャラが出てもそれは全然良くて。また次は何が出るかな?というワクワクも含めてイベントとして楽しんでいるんですよね」
◆月見バーガーで価値観の違いが露呈
なので効率重視の直也さんの考えに賛同はできませんでしたが、考え方は人それぞれなので「直也さんはそういう人なんだな」と思うことにしました。
「どちらの考え方が正しいとかはないと思うので。ですがその数日後、今度は私がマクドナルドの月見バーガーを買って帰ったら、また『バカだな。エグチ(エッグチーズバーガー)っていう月見バーガーにベーコンが入っていないだけのメニューがほぼ半額くらいの値段であるの知らないの?CMに踊らされてこんなの買っちゃて思うツボじゃないか』と言われて頭にきてしまって」
彩芽さんが食べたいのはエグチではなく、あくまで月見バーガーであり、秋の風物詩として毎年楽しみにしているイベントのひとつだったそう。
「確かにエグチよりは値段はお高めかも知れませんが、私にとっては秋刀魚(さんま)や松茸並みに秋を感じられる大切な食べものなんですよ」
そして彩芽さんが「なぜ自分の考えを私に押し付けるの?私が月見バーガーを買ったところで別にあなたには迷惑かけてないと思うし私の考え方だって認めてよ」と言うと直也さんは露骨に嫌な顔をしました。