かくして“いぶし銀”の人選となった中日、楽天、オリックスの3チーム。いろいろな事情はあるようだが、期待できるポイントは多い。
「監督の人件費が削れれば、その分、補強に費用が回せます。今オフのFA戦線は小粒ですが、それなら外国人獲得に使えば良い。近年は円安の影響で良い外国人選手が獲りにくくなっており、だからこそ金の力が物を言います。また、中日、楽天、オリックスの新監督はいずれも内部昇格なので、チーム内に混乱が少ないのも好条件です。今季2軍を率いた中日の井上一樹はウエスタンリーグで最後まで優勝争いしましたし、岸田護は現役時代から投手陣のリーダーで信頼の厚さは抜群。三木肇は球界屈指の理論派で、2022年にはファーム日本一に導いています」(前出・野球ライター)
ただ、重大な懸念事項もある。
「現役時代の成績が突出していない監督は、若手・ベテランを問わず、どうしても選手にナメられがち。頼れるアニキになれれば、チーム一丸となって戦う雰囲気が生まれますが、一歩間違うと規律が緩み、ダラダラ負け続ける羽目に陥ります。
しかも軽量級監督はクビが切りやすい。ネームバリューがないからこそ、短期で結果を求められるのが宿命で、2年やってダメならクビでしょう。短いスパンで監督がコロコロ代わるようだと、長い暗黒時代に突入するのはどのスポーツも同じ。特に楽天は前任者が1年でクビを切られており、危険な兆候です」(前出・週刊誌スポーツ担当記者)
“名より実を取って良かった”と言えるか。