小泉今日子とは、相手俳優とのベストなコンビネーションで際立つ存在感の人だなと常々思う。
毎週日曜日よる10時から放送されている『団地のふたり』(NHK BS)では、小林聡美を相手にそれはそれは面白おかしい相棒ドラマを繰り広げている。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、本作と中井貴一との共演作『最後から二番目の恋』(フジテレビ、2012年)との共通項を探りながら、“相棒俳優”小泉今日子を解説する。
◆とびきりの“相棒俳優”
このコンビ愛、ちょっとやそっとじゃあゆるぎそうもないなぁ。『団地のふたり』で小林聡美と共演する小泉今日子は、阿吽の呼吸の相手を得て、そこらの刑事ドラマのバディなんてそんなのぬるいぬるい、という感じ。
小泉今日子は、とびきりの“相棒俳優”なのだ。相手俳優があって自分がある。自分がいるから相手がある。そういう抜き差しならない関係性を瞬時に組んでしまえる才能の持ち主。
例えば第1回、団地育ち団地暮らしの大学講師・太田野枝(小泉今日子)とイラストレーターの桜井奈津子(小林聡美)が、いつものように奈津子(なっちゃん)の家で食後にケーキを食べる場面。
ノエチ(野枝)が「なっちゃ~ん、なっちゃ~ん」と両腕を伸ばしてじゃれてまとまりつく。小林に直にふれることで相手を自分の身体の延長、あるいは自分の一部にしているかのように見える。それが相棒への最たる愛の示し方なのだといわんばかり。