ドクターがクリニックを経営していても、肌のことに詳しいナースがいれば同じようなことはできるかもしれないんですけど、いろんなことを決める権限がドクターではなく私にあるから、より患者に近い存在が、クリニックの方向性や導入する機械、施術のメニューなどを決めて、患者さんに寄り添ったものが提供できるのが強みだと思います。
――自身が整形経験者だからクリニックに活かせたこともあるんでしょうか?
私のクリニックでは外科をやる訳ではないので、整形経験者であることが強みになることはないんですが、やっぱり私は美容医療で努力して綺麗になったと言う経験があるので、綺麗になりたい人の気持ちはすごく理解できるんです。
それって、患者さんからしても、元から綺麗でキラキラしている人より、努力して変わった人の方が安心できるかなって。
人からはそんなに気にならないよって言われることでも、自分にとってはすごく気になる……みたいな、人にはわからない悩みがあることは理解できる。それは皮膚治療だけじゃなく、外科治療も自分自身がたくさんやってきたからこそ分かることでもあるかもしれません。
◆開業資金7000万円は融資と貯金
――クリニックをオープンするにあたって苦労したことはありますか?
苦労だらけです。単純にやることが多すぎてタスク管理ができない。周りの開業している医師の先生からも「コンサル入れないの?」って言われて、入れてないって言うと「信じられない!」って驚かれます。
全部自分でやってるから、大変だろうなとは思っていたんですが、想像以上でした。薬剤を発注するにしても業者の数がものすごく多いし、ネットに載ってない業者もあるので、どこがいいかを相見積とって比較したり。
クリニックに導入するWi-Fiとか、プロバイダの設定とか言われても意味がわからないし、契約書作りとか、保険関係とか、今までやったことのない仕事が次々降ってくるのがキツいですね……。