10月5日から15日まで、国内で毎年開催されるスポーツの祭典『国民スポーツ大会(国スポ)』が佐賀市のSAGAアリーナなどで行われ、13日に行われた柔道の成年男子の部では、佐賀が決勝で茨城に勝利、初優勝を果たした。
都道府県対抗で行われる同大会は冬季大会と秋の本大会の通算で争われ、男女総合成績第1位の都道府県には天皇杯が、女子総合成績第1位の都道府県に皇后杯が授与されることでも知られている。
柔道成年男子で優勝した佐賀は、2021年東京五輪男子100キロ級金メダル、24年パリ五輪混合団体銀メダルのウルフ・アロンを副将に据え、茨城との決勝では先鋒から中堅まで引き分けた後、ウルフによる豪快な足技が炸裂し、一本勝ち。昨年の準決勝で敗れた茨城に1-0で勝利した。各メディアの取材にウルフは「チーム一丸で優勝できてうれしいし、本当に楽しい一日だった」と笑顔で優勝を喜んだという。
「東京都出身のウルフだが、大会開催地の佐賀県からオファーを受けて出場を決意。2回戦から決勝までの4試合全勝で優勝に貢献したが、言うまでもなく実力が飛び抜けているので負けるはずがない。とはいえ、開催都道府県が強力な助っ人を補強できる国スポのルールは以前から問題視されていた」(スポーツ紙記者)
昨年の鹿児島大会までは『国民体育大会(国体)』の名称で知られていた国スポだが……。
「開催都道府県が天皇杯と皇后杯をWで獲得することが多く、2000年以降では、開催23回のうち20回で開催地が天皇杯を獲得していた。02年高知国体で、当時の橋本大二郎知事が過剰な強化をしない方針を示したが、その後も流れが大きく変わることはなく、今回は佐賀が天皇杯を獲得すべく、ウルフの投入に至ったのだろう」(ベテランスポーツライター)
すでに、来年の滋賀、その先は2030年の島根まで開催値が決定しているが、「国体」から「国スポ」に名称が変わっても“本質”はまったく変わっていないようだ。