また、10月25日(金)18:00より同氏を囲んでオープニングレセプションを開催。誰でも参加できるので、気になる人は足を運んでみては。

ピウス・フォックス氏による個展に関するコメント

同展について、ピウス・フォックス氏は以下のようなコメントを寄せている。

「タイトルは「cover」と「recover」という言葉をさまざまな角度から考察してつけました。「cover (カバー)」は音楽ではよく聞く用語で、他者のものを使って自分自身を表現できるのか、という試みのことです。

すでにあるものを枠組みとして使うことで、自分にとって必要な要素のみに集中することができる。これを絵画に置き換えると、美術史で語られるような手法になるわけですが、しばしば音楽よりもネガティブな意味合いが強くなります。

また、Coverという言葉には「覆う」という意味があります。絵の具は常に、白や、地の色を覆うものです – 不透明な時もあればクリアな色もあり、一面塗りつぶしたり部分的に塗ったりもします。

私のアート制作過程においてこれは重要な点です。層の下にある色は何か、色で覆われて見えなくなった、あるいは類推でしかわからないものは何か?ある特定の色、そして色にまつわる文脈において、他の色をどの程度覆う必要があるのでしょう。

美術史においてカーテンや垂れ幕といったモチーフは、この問いに近いものがあると思います。絵の中で布が何かをカバーしたり隠したりしていて、観るものにとってはそこに隠されたものが何であるのかを探るところからゲームが始まるのです。

そして「recover (リカバー)」という言葉が「cover」に新たな層を生み出します。包まれて暖まり、リカバー(回復)する。私の絵にとってペイントのレイヤーを重ねるということは同じような役割を担っているのです。

このような用語の意味を考えた時、多重の意味においてカバーすることでリカバーすることもできるのでしょうか。何かの色の毛布を頭からかぶって目をつぶってみたら?このようなテーマが展示された作品と繋がっていて、作品と向き合う場を作り出せたらと思っています」