闇バイトやらハッカーやら現代的なモチーフを香港ノワールの世界観に落とし込み、毎回、2~3度は主人公たちに「万事休す」な事態が訪れるドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺匿名捜査官』(日本テレビ系)も第3話。
筆者のお気に入りキャラである始末屋・櫛田(フェルナンデス直行)は今回、組織から「プログラムを盗んでマリナという女に渡した」という受け子がなかなか口を割らないのに腹を立て、ご自慢のネイルガンでブスブスにブッ刺した上で死体を焼いたりしていました。ステキ。
では、振り返りましょう。
■「鉄の掟」とチームワークの話
“警察の犬”として詐欺集団「幻獣」に潜入し、詐欺の片棒を担いているキイチ(竜星涼)とユキ(八木莉可子)の潜入兄妹。彼らには、同じく潜入捜査官だった父から受け継いだ「鉄の掟」がありました。
奪うのは、黒い金だけ。
今回、潜入兄妹が潜入したハコに課せられたミッションは、オレオレ詐欺に使う5,000人分の名簿を入手すること。幻獣の幹部・朱雀(白石聖)の持ち駒だった名簿屋のジジイが死に、その教え子である重信という曲者とのコンペだといいます。
悪人以外は騙さないと決めているキイチは、起訴前の犯罪者たちの名簿を検察から盗み出すことを計画。彼らに電話で示談金詐欺を仕掛け、ため込んでいる黒い金を奪うという計画を立てます。もともと黒い金なので騙されたほうも被害届を出せないし、どうせ収監されちゃうので幻獣にとってはオレ詐欺よりよっぽど効率的な名簿です。
清掃業者に変装して検察に潜入した兄妹でしたが、偶然居合わせた女性検察官になぜか正体を見破られ、通報されてしまいます。兄妹の身柄は、あっさり確保。今回、1度目の万事休すです。
しかし、ここではハコメンバーのプランBが発動。なんとか警察からは逃げおおせたものの、名簿の入手は絶望的になりました。画面には「首を切られるまで6時間」と赤文字で大書き。早くも2度目の万事休すが訪れました。