「かつて私の“ヒモ”だった夫。仕事がうまくいき収入が増えてから暴力的になりました」
こう語るのは、45歳の女性・ルカさん(仮名)。夫のDVからアルコール依存に陥り、幻聴や幻覚に悩んでいる。それほどまでに苦しみながら、なぜ離婚できないのか。
彼女に聞いた詳細を、全3回にわたりお届けする。
◆酒に溺れすぎて幻覚が見えるようになった
「何度も警察を呼んだし離婚も考えた。でもいろいろあり、一緒にいるしかない……日々の苦しみから逃れたくて私は毎日お酒を飲んでいましたが、半年ほど前に初めて幻聴と幻覚があり、怖くて精神病院に行ったら、アルコール依存症の診断でした。
実にいろんな幻聴と幻覚があります。こないだは、買い物から帰宅したら家のリビングのはじっこに、やせほそった少女が俯いて立っていました。夜、ベランダに出ようとカーテンを開けると、お向かいのマンションの屋上、うちより1階低いくらいのところに、ポーズをとったオブジェのような人が数人いるんです。
怖くてカーテンを閉じるんですが、どうなってるかなってソローリとカーテンを開けるたびに人の数が増えていく……。
寝室の壁のあたりでは玉置浩二の、マンションの下の階からはアンジェラ・アキの歌声が……本当に怖い毎日です」