小田原で1番の観光スポットといえば小田原城。戦国時代にこの小田原城を本拠地として関東最大の勢力を誇ったのが北条氏です。小田原市でも毎年「北条五代祭り」が盛大に催され、大河ドラマにもたびたび登場するので、歴史好きな人ならご存じの人も多いでしょう。そんな北条氏の歴史を小田原観光で訪ねる時に、見逃したくない史跡を6つ、北条氏とゆかりのあるグルメスポット2つを紹介します。

史跡1:八幡山古郭東曲輪(はちまんやまこかくひがしくるわ)

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

室町時代に西相模一帯を支配していた大森氏が居城し、北条早雲(そううん・実際は北条早雲とは名乗っていないとされていますが、便宜上この名で書いていきます)が攻め落とした、小田原城の中心地の一つといわれているのがこの場所です。

最近では、豊臣秀吉が小田原城を攻めてきた頃、当主の北条氏直(うじなお)が城址公園あたりの本城に、隠居した前当主の北条氏政(うじまさ)がこの八幡山の新城にいたという説もあります。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

そんな歴史のある史跡ですが、実は天守閣と海が一望できる絶景スポットでもあります。少し離れた位置から見る白い天守閣と、緑の森と青い海、小田原の景色いいとこどりができてしまう贅沢な場所なのです。小田原城址公園の北入口から徒歩5分ほどの近さなので、天守閣とあわせて訪ねやすいスポットとなっています。

史跡2:北条氏政・氏照(うじてる)の墓所

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

豊臣秀吉が攻めてきた小田原合戦で北条氏は降伏し、当主北条氏直の父である北条氏政と、氏政の弟である氏照が切腹となりました。その2人の墓と伝えられているのがこの場所です。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像= トラベルライター トリップノートより引用)

商店街の中にあるので、初めて訪ねる時には「この場所に本当に墓所があるの?」と思ってしまうかもしれません。周囲は道が狭く店舗も多いので、徒歩で訪ねましょう。小田原駅東口に近く、電車で来た人なら小田原城址公園へ向かう途中で寄ることもできます。

史跡3:石垣山一夜城歴史公園(いしがきやまいちやじょう)

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

秀吉が小田原を攻める時に建てた城跡が、国指定史跡でもある石垣山一夜城歴史公園です。石垣は度々の地震で崩れている場所も多いですが、城の遺構がよく残っており、戦国時代が好きな人ならぜひ訪ねたいスポット。ですが、自家用車かタクシーでなければ足を伸ばしにくい場所にあります。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

そこで、春・夏・秋の観光シーズンに土日限定で運行する観光回遊バス「うめまる号」への乗車がおすすめです。乗車料金は大人500円・子ども(小学生)300円で、シーズン中は何度でも乗り降りできます。運行スケジュールなどの詳細は公式webで確認を。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)
【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

うめまる号にはボランティアガイドが同乗し、バスで通り過ぎるスポットや町の説明をしてくれます。石垣山一夜城と小田原城では、バスの到着にあわせて始まる現地の史跡ガイドツアーにも参加することができるので、見どころがわかりにくい城跡でも充実した見学ができますよ。

史跡4:小峯御鐘ノ台大堀切(こみねおかねのだいおおほりきり)

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

小田原城は当主の住む中心部だけでなく、城下町も全て囲い込む防御設備「総構(惣構・そうがまえ)」の城として知られています。その総構の城でいちばん外側を防御していた堀の一部が、この小峯御鐘ノ台大堀切の東堀です。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

国指定史跡ともなっており、空堀としては日本全国でも最大規模とのこと。実際に訪ねてみると、こんな大きな堀で小田原の町を囲んでいたのかと驚かされます。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)
【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

自家用車でしたら城山公園を目標に。毒榎平(どくえだいら)の石碑右側の道を行くと、堀の入口に着きます。堀の反対にある入り口(城山公園から歩いた時の堀の出口)には「城山四丁目」バス停があるので、バスで訪ねる時はここでの乗降が良いでしょう。バス停付近からは、秀吉の城があった石垣山と海の景色を見ることができます。

史跡5:北条幻庵(げんあん)屋敷跡

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

北条幻庵は初代北条早雲の子で、5代当主氏直の頃まで生きた人です。この人が亡くなったから北条氏は滅びたと、後の時代の軍記などで書かれるくらい知恵のある大物だったといわれています。2017年の大河ドラマにも登場していました。

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

屋敷跡には、廟所(びょうしょ)と屋敷にあったと伝わる池があります。当時の屋敷は広大だったようですが、現在は地名が残るのみで、周囲は保育園や住宅地となっています。訪ねた時には迷惑にならないようにお気をつけ下さい。

史跡6:小田原城址公園

【小田原】戦国時代北条氏の歴史をめぐる史跡6選+グルメ2選
(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

言わずもがなの小田原で最も人気の観光スポットですが、「今の小田原城って江戸時代の城でしょ?」と思われるかもしれません。確かに、天守や門など江戸時代の建物が復興されています。ですが、近年の調査で、戦国時代の小田原城も城址公園の範囲内にあったのではないかといわれているのです。

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(画像=トラベルライター トリップノートより引用)

というのも、北入口付近で行われた江戸時代の御用米曲輪(ごようまいぐるわ)の史跡整備に伴う発掘調査で、戦国時代に当主の館があったと思われる庭園跡が発見されたのです。この庭園跡は保存のために埋め戻されますが、今後の研究で戦国時代の小田原城について解明されていくかもしれませんね。

リニューアルした天守閣の中は、戦国時代の展示が充実しています。外で江戸時代の城郭を見学するときも、「戦国時代にはこの場所で北条氏の当主も過ごしていたのかな」と時々想像してみるのも、楽しいかもしれません。