子どもが浪費に走る 

お金持ちの子どもが親のお金を散財するのは珍しいケースではない。巨額の富を継承できるため、野心のない子どもに育つ可能性もある。

特に、自ら一代で財産を築いたセルフメイド・ミリオネアやビリオネアは、仕事にはお金で買えない自信や自己価値、達成感があることを認識している。子どもがそうした重要な体験をせずに、親の富に依存してしまう懸念はなおさら強いだろう。

仕事の責任 

会社員がリストラの恐怖におびえるように、お金持ちにも仕事上の心配が絶えない。会社が不祥事を起こせばCEOでも解雇されるし、役職に就いていれば社運を左右する重要な決断の責任感がのしかかる。設立者であれば、会社が破たんすれば何百人、何千人もの従業員とその家族が路頭に迷うことになる。責任重大だ。

お金持ち同士の見栄の張り合い 

競走社会で暮らしているのは、お金持ちも庶民も同じだ。どこの大学出身か、どこに住んでいるか、どんな車に乗っているか、どこに休暇に行ったか、すべてが人生のステータスを表している。

サイティング氏いわく、お金持ちは庶民より競争心が激しい傾向がある。周囲のお金持ちや、ウォーレン・バフェット氏やビル・ゲイツ氏といったビリオネアに負けないように見栄を張れば張るほど、気苦労が増える。しかし「お金持ちは苦悩するのが好き」と、サイティング氏は皮肉を言っている。

人間不信 

アジアの情報サイト「Next Shark」のライター、セバスチャン・ディロン氏がこれまでに会ったお金持ちの共通の懸念は、「人間不信」だった。

お金を沢山持っていると、周囲の人が自分の人柄に魅了されて寄ってくるのか、あるいは自分の持っているお金に寄ってくるのか、分からなくなるそうだ。結婚相手であろうと家族であろうと、そうした猜疑心は消えにくい。

楽しい会話を楽しみたいだけなのに、相手は投資や借金を申し込む機会をうかがっている−−そんな状況では、人に不信感を抱くようになっても不思議ではない。

自分の幸福 

「本当の幸せはお金で買えない」ことは、お金持ちも知っている。お金の魅力に抵抗できる人間は少ないだろう。幸福のレベルがお金がない時に比べて変化していないことを発見するためだけに、多くの人はそれを追求しようとする。

宝くじで大金を得たにも関わらず、破産や家族離散を経験した話は珍しくない。「お金が幸福どころか、悲しみだけをもたらす結果にならないか」という、庶民にはない心配の種をお金持ちは抱えている。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

【こちらの記事もおすすめ】
女性を超える関心度!?「オトコの美活」意識調査結果
住宅ローン控除(減税)をフル活用するための基本の「き」
実はハイリスクなライフイベントTOP5。転職、住宅購入、結婚……
2018年マンションの「駆け込み」需要が起きるってホント?
じぶん時間がもっと増える「ちょこっと家事代行」3選