――かまいたちの山内さんは、シティホテル3号室に「意味のわからなさをちょっとだけあったらまた違った」「僕の好みなんですけど」とコメントしていましたよね。

<あれは裏を返すと「面白かったけど、自分も想像できる範囲内だった」ということではないかと。やっぱり審査員の席に座っている方たちは本当に百戦錬磨ですし、次の展開を何パターンも予想しているでしょうから。

とはいえ、今回はこの『好みの問題』がモロに得点に現れたと思います。センス、演技、演出について全員が10点満点クラスでやっている以上、完全に面白さは拮抗(きっこう)していて、あとは好みで判別するしかなくなっている状態なんです。正直、準決勝まで進んだ人たちだったら、誰が出ていても同じことになった気がします>

――実際、今年の準決勝のレベルは高かったのですか?

<きっとそうなんだと思います。印象としては全体が底上げされた感覚ですね。それによって上の層がどんどん詰まってきている。キングオブコントは芸歴制限がない以上、今回のラブレターズのように芸歴が上の人たちがちゃんと卒業してくれないと、『好みの問題』の審査は続いていくかもしれません(笑)>

◆トップバッターが高得点の流れの背景に番組制作レベル向上あり

――去年のトップバッターだったカゲヤマに引き続き、今年はロングコートダディも一組目で高得点をたたき出しました。『M-1グランプリ2023』でもトップバッターの令和ロマンが優勝しましたし、そういう流れが出来始めているのでしょうか?