――そういう意味では、今回から新加入となったシソンヌ・じろうさんも近しい立ち位置のような。

<じろうさんの人選、良かったと思います。コメントも新鮮さがあって興味深かったです。ただ、正直なところ審査員の数は7人くらいいても良いような感じがありましたね。あそこまで点数が僅差になると、本当に誰が優勝してもおかしくない分、いわゆる“ロッチ現象”みたいなどんでん返しも起こらない状態にはなりましたよね。

ニッポンの社長の辻さんが点数発表の際、飯塚さんに対して『好みの問題』と言うシーンがありましたが、そうなってきているのであれば、もっとたくさんの審査員に見てもらって、いろんな好みがあることを知らせてもいいかな、と。せっかくなら松本さんと同年代くらいの方を入れても良かったんじゃないかと思います>

◆今年「好みの問題」がモロ得点に現れた理由

――辻さんの『好みの問題』発言。大輪さんはどう捉えましたか?

<飯塚さんでいうと、一本目ではファイヤーサンダーとシティホテル3号室、ロングコートダディの点数が高いんです。彼らはみんなストーリー的に矛盾点が少なく、芝居もしっかりしていて、わけがわからない内容ではない。そう考えると、や団の点数が低いところがちょっと不思議ではあるんですが……。これはもしかしたら東京03がトリオであることに由来している可能性があるのかな、と。

『R-1グランプリ2022』でお見送り芸人しんいちさんが優勝したあの時、審査員には歌ネタをする芸人が一人もいなかったんです。好みという観点ももちろんありますが、芸人審査員は自分の中にないものを持つ人に高い評価をつける傾向が、少なからずあるのかもしれませんね>