好材料・悪材料のニュースに株価が反応しない理由

様々な要因が重なり、好材料・悪材料のニュースが流れますが、株価が反応しない場合があります。

特に、悪材料のニュースが出たのに、株価が思っていた以上に下落しないというケースは少なくありません。

これは事前に好材料・悪材料を予想して、市場参加者が織り込み済みとしている場合が考えられます。

例えば、今期の業績が悪いというのが決算前に既に周知の事実となっていて、専門家やアナリストも警告を発していた場合、市場参加者は決算前に株式を売却します。

そして、決算発表で、業績の減少が専門家やアナリストの予想範囲内だと、それ以上の強い下げ反応は起きにくくなります。

反対に、今期の業績が良いというのが決算前に分かっていて、それが周知の事実となっていて株式が購入されていたのが、決算発表で予想の範囲内だと判明して株価の上昇が止まってしまうということもあり得ます。

どちらも、株価が変動する材料が出尽くしたと判断され、株価が反転する可能性もあります。

これを「材料出尽くし」や「織り込み済み」と呼びます。

個別企業の好材料・悪材料は短期、相場の好材料・悪材料は長期

株価は需要と供給のバランスによって上下します。

このバランスは人気とブームと表現されることがあります。

人気とは、個別企業に対する市場参加者の評価です。

好材料・悪材料のニュースが発表されると、途端に人気を獲得したり、あるいは人気を落とすのに連動して株価が変動します。

人気は一過性の場合が多く、材料が出尽くすと株価が反転しやすいです。

ブームとは、相場に対する市場参加者の評価です。

好材料・悪材料のニュースによって、買いがブームとなり、あるいは売りがブームとなり圧力を高めます。

ブームは長期化しやすく、圧力が弱まるまで時間が掛かります。

重要なのは、個別企業の好材料・悪材料のニュースは短期的な変動で、相場の好材料・悪材料のニュースは長期に渡って影響を与えるという可能性です。

そのため、個別企業の好材料・悪材料に飛びついて売買を決めてしまうと、株価の変動に翻弄される危険があります。

好材料・悪材料だけを根拠に売買をするのは注意しましょう。

まとめ

以上が、好材料・悪材料のニュースが株価に影響を与える理由の解説になります。

株価は需要と供給のバランスによって変動するため、市場参加者の心理が反映されます。

好材料のニュースがあれば上昇するきっかけに、悪材料のニュースがあれば下落するきっかけとなります。

しかし、これらはきっかけの一つに過ぎず、好材料・悪材料があったから必ず変動するとは限りません。

ほかの情報や指標とセットにして分析しましょう。

提供・ANA Financial Journal

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