住宅購入を検討している人の中には、賃貸からの切り替えや購入のタイミングに悩んでいる人も多いでしょう。結婚前にマイホームの購入を検討する人もいますが、一般的には結婚のタイミングで購入する人が多いようです。この記事では、結婚を機に住宅購入するとどんなメリットがあるのか、住宅ローンを組む際のポイントとあわせて紹介します。

結婚を機に、住宅購入を検討する人は17.8%

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株式会社リクルート住まいカンパニーが2020年4月に発表した「住宅購入・建築検討者」調査(2019年度*住宅購入または建築を考えている人を対象)の結果によると、住宅購入を検討するきっかけは「結婚」が17.8%、「第1子の誕生」が14.6%、「自身または配偶者の転勤」が10.5%でした。

住宅購入は、ライフスタイルが変化しやすい結婚や第1子誕生などのタイミングに検討する人が多いことがわかります。

一戸建て派?マンション派?

ちなみに購入を検討している人は、一戸建てやマンションなど家の種別についてどう考えているのでしょうか。同調査では、「一戸建て派」は59.0%、「マンション派」が27.9%で一戸建て派が多いという結果に。

どの年代も半数以上が一戸建て派であるものの、特に20代から40代の人が50代や60代に比べてその意向が強いことがわかります。

家賃の支払いが“資産”になる?結婚を機に住宅購入するメリット

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それでは、結婚を機に住宅購入するメリットはどんなことでしょうか?家の購入は高額なことから現金一括で支払う人は少なく、大半の人が住宅ローンを利用して購入するでしょう。ここでは結婚のタイミングで、住宅ローンを利用して住宅購入するメリットについて紹介します。

家賃を資産(住宅ローン)に充てるという考え方

結婚後の住まいが賃貸物件であれば、初期費用として敷金や礼金、仲介手数料などが発生し、その後退去するまで家賃を支払い続けることになります。一方でマイホームを購入すれば当然これらの費用は発生せず、住宅ローンの借入にともなう諸費用などとローンの返済が生じます。

これらの諸費用やローンの利息は、賃貸住まいの初期費用や家賃などと同様に“経費”と考えられますが、住宅ローンの元本返済分の支払いは“自分の資産を少しずつ増やしている”と考えることができます。つまり結婚を機に住宅購入することで、計画的に資産形成をはじめているとも言えるでしょう。

若いうちに住宅ローンを組むと老後資金も計画しやすい

住宅ローンの最長返済期間は、一般的に35年とされています。25歳で住宅ローンを組んだとすれば返済が終わるのが60歳、35歳だと70歳、40歳だと75歳という計算です。若いうちに住宅ローンを組むことで返済を早く終わらせることができ、返済後は老後の生活に向けた資金に回せられるでしょう。

働き盛りのうちにある程度まとまった資金を蓄えられれば、住宅ローンの元金を減らす繰り上げ返済を行うこともでき、さらに住宅ローンの返済期間を短くすることや月々の返済額を減らすことができます。

焦ってはダメ?結婚をきっかけに住宅購入する注意点

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一方で、結婚のタイミングで住宅を購入する注意点についても触れておきましょう。

離婚時に考えなければならない問題が増える

結婚したときに離婚を考える人は少ないでしょうが、結婚後になんらかの原因で離婚する可能性もあります。住宅を購入している場合、「住宅ローンの返済をどうするか」「どちらが購入した家に住み続けるのか」などの問題が発生することを考慮しておく必要があります。

家族構成の変化に対応できるか

さらに気を付けたいのが、子どもが増えたり親と同居したり、家族構成に変化があった場合の対応です。子ども1人の予定が3人になるなど、間取りと合わなくなるといったこともあるでしょう。購入前に夫婦間で子どものことや両親の介護など、将来起こり得ることをしっかりと話し合い想定しておくことが重要です。