タレントの羽賀研二が、不動産の強制執行を逃れる目的で、山口組弘道会系組長の松山猛容疑者らと共謀し、自身が所有するビルと土地の所有権を、代表を務める会社に移転するという虚偽の登記を行った疑いで、3度目の逮捕となった。
筆者は、羽賀がまたしても暴力団絡みの事件で逮捕されたというニュースを聞き、反社会勢力との関係がいかに断ち切れないかという問題の根深さを感じた。
羽賀は1980年代にフジテレビ系の人気バラエティ番組『笑っていいとも!』の初代いいとも青年隊に起用され、脚光を浴びたが、当時からファンから借りたラジカセを返さないなど、トラブルが絶えなかった。
「いいとも青年隊卒業後、東京・大田区に住む未亡人に沖縄リゾート開発の話を持ちかけ、トラブルに発展しました。それを、当時の女性週刊誌が取材し、記事にしようとしていました」(元女性誌記者)
その週刊誌の専属ライターだった筆者は、当時から親交のあった「長良プロダクション」の故・長良じゅん会長に「記事を止められないか」と相談を受けた。長良プロには、故・梅宮辰夫さんが所属しており、梅宮さんは「浪花の住専王」と呼ばれた不動産会社「末野興産」の末野健一氏と兄弟分の関係だった。この末野氏が羽賀のタニマチ(後援者)であり、末野氏経由で梅宮さんから長良会長に記事のもみ消し依頼が来たということだった。
「末野氏は山口組5代目の渡辺芳則氏とも兄弟分の関係でした。当時、暴力団排除条例が東京都で施行されていたら(2011年10月施行)、梅宮さんも危なかったでしょうね」(暴力団事情に詳しいフリーライター)
記事のもみ消しは長良会長からの依頼だったが、社会問題でもある金銭トラブルを見過ごすことはできないと筆者は断った。これがきっかけで後日、羽賀を長良会長に紹介され、飲食店で対面した。羽賀は周りに人がいるにもかかわらず、筆者に土下座して金銭トラブルを何度も詫びた。しかし、筆者がトイレに立った際、羽賀は携帯電話を複数使いこなし、次々と女性に電話をかけて口説いていた。その姿に驚き、それ以来、疎遠となった。