――森さんと言えば、保護犬活動もされていますよね。

森:自分が好きでやっているので、活動とは思っていなくて。すごいことをやっている方はたくさんいるので、そういう意味ではわたしは楽しんでやっているだけです。ワンちゃんはいろいろな状態で見つかるのですが、おうちが見つかって写真が送られてきて、大切にされていると顔つきが変わるんです。

それを見るとよかったと、反対にわたしが幸せをもらっています。そういう姿が見られるだけで幸せです。ただ、ひとりではなく、ワンちゃんの保護は家族のサポートがないとできないので、そういう意味では家族みんなでやっている感じです。

◆祖母、母から教えられたこと

森泉
――2018年にご結婚され、同年に生まれた娘さんとの3人家族ですが、家族円満の秘訣は何でしょうか?

森:家族になって6~7年くらいなので、まだ分からないです。まだまだこれからですよね(笑)。最初から動物がつなげてくれたご縁なので、そういう意味では共通の価値観がありますね。動物のお世話もひとりじゃできないので、ありがたいなと思っています。動物が好きじゃないとできないことなので。

――ママ森さんの教えなど、親になった今、活きていることはありますか?

森:面白いなと思ったのは、おばあちゃんはつらいこと、嫌なこと、大変だったことを、あまり口にしなかったんですよ。愚痴も言わない。わたしは日本人の女性として、パリに出て行って大変だったことをアピールしたほうがいいとママ森には言っていたのですが(笑)「わたしはきれいなものを作っているから、嫌なことや愚痴を言わないの」と。それにはハッとさせられました。

――とても含蓄があるお言葉ですね。

森:ストレス発散で愚痴を言ったりすることは普通にあると思うのですが、自分が口に出したことが作品に出るって、面白いなと思いました。だからわたしも大変なことがあっても、なるべく愚痴を言わないようにしようと、それを言われたときに思いました。でも、出ちゃいますよね。強い人間じゃないので(苦笑)。