来日にむけ知りたい!ハロウィン発祥国や発祥地④移民

19世紀に入って、アイルランドからアメリカに移民が到着をしても、まだハロウィンは移民のコミュニティー内でしか行われない行事でしたが19世紀半ばにアメリカ社会にも徐々に受け入れられるようになりました。20世紀にもなると、社会、人種、宗教的背景の枠をこえて大勢の人たちに受け入れられるようになります。現代に入ってハロウィンが大きく催されているのは、イギリスが植民地化した英語圏であるオーストラリアやニュージーランド、カナダなどです。

その中でもケルトの国、アイルランドにはハロウィンが色濃く残っているようすです。アイルランドといえば、歌手エンヤの故郷や映画オズの魔法使いで登場するエメラルドの都のモデルになった場所ですが、アイルランドの守護聖人のお祭りセントパトリック・デーをご存知ですか?シャムロック(アイルランド語でクローバー)という3つ葉と緑をシンボルとして日本でもパレードが行われるようになった行事です。ドルイド信仰同様、緑や自然、三位一体が3つ葉により象徴されていますね。

来日にむけ知りたい!ハロウィン発祥国や発祥地⑤アイルランド

アイルランドでは10月最後の月曜が祝日です。この祝日に続く週が学期の半ばですがすべての学校が休みになり、これを一般にハロウィン休みと呼ばれます。イギリス帝国系の国々ではハロウィンはとても盛大に祝われますが、アメリカの一部キリスト教系の学校では、「キリスト教由来の行事でないため祝わないように!」と通達されるところもあるそうです。

カトリック信者の多いラテン諸国、イタリア・スペイン・ポルトガル・フランス他南米のペルーやブラジルなどでは現地の人達はハロウィンにはほとんど興味を示していないようで、ハロウィンの由来や起源にも関係がないといった感じです。中東や、東ヨーロッパのオーストリアやクロアチア、チェコなどでもハロウィンは関係のないものとされています。

来日にむけ知りたい!ハロウィン発祥国や発祥地⑥ジャック

ハロウィンのシンボル、かぼちゃのお化けジャックオー・ランタン(ランタン持ちの男という意味)は、日本でいう提灯のような役割をします。ハロウィンの夜はオレンジ色のかぼちゃをくりぬき、ナイフで目・鼻・口を付け内側に本物の火のついたろうそくを灯します。現在では怖い顔の他に面白いものやオリジナル性の高いものも見られますが、これで悪霊を怖がらせて追い払っていたというのがこのランタンの起源です。

これは、死後の国へ向かわずにハロウィンの夜現世をさまよっている魂である鬼火や火の玉などを表現したものです。生前に堕落した人生を送って死んだ者の魂が死後の世界へ立ち入る事を拒否されたため、悪魔からもらった石炭を火種にし転がっていたカブをくりぬいたという伝承話に由来します。このような伝承話は、子供達への生き方や教訓を示す際効果的になる気がします。

来日にむけ知りたい!ハロウィン発祥国や発祥地⑦ワッサリング

また、悪魔を騙した悪い男が、自分が亡くなったあとは地獄に行かないようにと悪魔と契約をかわしたため天国へも行くことも拒否された魂がカブに憑依しこの世界と死後の世界との間をさまよい続けている姿だという仮説もあるようです。自分が迷い続けた身であるため旅人は迷わせずしっかり道案内をすることもあるようです。

このお話がアイルランドからアメリカに伝わった後は、カブだったものが当時アメリカで多く生産されていたかぼちゃに変化したようです。

現在英語圏の子供達は、トリックオアトリート(お菓子がいいそれともいたずらされたい? )と言いながら近所の家を訪ね、お菓子をもらってまわる地域交流の習慣がありますが、この習慣の起源や由来は、古代で行われたワッサリングとよばれものからきています。