今回は「シャドーマンの謎」が最大のテーマであって、そのシャドーマンが犯行現場近くのカメラに映っていたことから「全決」の出番が訪れています。

 このドラマは「オカルト現象」と「リアル」の落差を楽しむ構造になっていますので、事件解決にまつわるすべての要素を「オカルト」か「リアル」のどちらかに配置する必要があるわけです。カメラ映像ではなく、実際にルイくんが人影が見えると言っているのはオカルト、神隠しに遭ったと思われていた死体が河川敷で見つかったのはリアル。いわば、リアルがオカルトを論理的に突き崩していくところに快感を見出したかったはずなんです。

 だから、モザイクスプレーというオカルトでもリアルでもない物語上のフェイクが登場した時点で、快感を生み出す構造が崩壊してしまっている。トリックの中に「ないもの」を出した瞬間に、リアルな解決がリアルではなくなってしまうんです。よく知らんけど、光学迷彩とかでどうにかできなかったのかな、これ。

 今回はモザイクスプレーの存在によって台無しになってしまいましたが、オカルトを解き明かしていくという建付けそのものは全然悪くないと思います。そして何より、藤原竜也がそのうち絶叫してくれるでしょうから、まだまだ興味を失ったわけではありません。

 ほんと、モザイクスプレーの一点以外は全然悪くないと思う。なんとかがんばってほしい。

(文=どらまっ子AKIちゃん)