◆実質9人分のアフレコだった
――山本さんはこうしたアニメーション作品はお好きですか?
山本耕史さん(以下、山本)「大好きです。実写よりすんなり観られるし。アニメーションというかCGだったりもするけど、これをもし人間でやったらSFアクションじゃないですか。それがストーリーもちゃんとヒューマンで、いや、ヒューマンじゃないんだけど(苦笑)、生き物のいろんな部分を代表してくれていて。
それに僕は昔、猫を飼ってたし、こういうわがままでツンとしたところもあるよなとか、だけどやっぱり可愛いんだよなとか、毛を舐めてる瞬間なんかもすごくリアルだし、何回も観たくなりましたね。大変だとは思いましたけどね。何時間あるの?っていうくらいの台本の厚さで、こんなに出てる主役なんていないってくらい出っぱなしの役ですから」
――アフレコは大変でしたか?
山本「ここは出てないみたいなシーンがないから。後半なんて9人のプスが出てきたりするし(苦笑)。実質9人分やってますからね。どうしても後半に向けて、キャラクターが自分の中に近づいてくるから、頭に戻って撮り直したりしました。後半の、雰囲気が定着してからもう一度。それに日を空けたりすると、キャラクターがどんなだったか分からなくなってしまったりするので、声を出してみて感覚を戻したり。ただプスに関しては、低い声というのは意識しましたが、声色というよりも、声から内面をフィードバックさせる感じでしたね」