編集S それ、今関係あります?
新越谷 だから、バラエティ的にはあの日に「コロナが終わった」と思ったわけです。逆説的だけど、今回の『水ダウ』は世の中に「終わってないよ」という声を噴出させたじゃないですか。それは、やらないよりやったほうがいい企画だったってことなんだと思うわけですよ。昔みたいにテレビから視聴者への一方通行でしか情報が届かない時代だったらちょっと違うけど、今は『水ダウ』の内容とSNSでの意見を比較して、無関心層への「届き方」には遜色ないわけです。『水ダウ』が自らサンドバッグになりにいった企画だとは思わないけど、役割は果たしたんじゃないですかね。
■令和ロマンの『しくじり』
編集S 『水ダウ』では、タレントって完膚なきまでに「やらされる側」なんだということも明示されました。
新越谷 その意味で、今回の『しくじり』の令和ロマンの回とつながってるなと思ったんですよね。「テレビに出ない」という選択が云々という話。
編集S 確かに、令和ロマンがアクリル仕切りに変なマスクつけて食レポやってる姿は、あんまり想像できない。
新越谷 ほんの数年、時代がズレただけともいえるし、くるまは何度も自分の芸人キャリアにおけるコロナ期の影響について語っていますので、今の令和ロマンはコロナがなかったら全然違う形だったかもしれないとも思うわけです。
編集S どう思いました? 今回の『しくじり』。
新越谷 まず思ったのは、ケムリの声と滑舌がえぐいなと思って。
編集S そこ?
新越谷 あれ天才でしょう。あんまり声張って仕切ってるところ見たことなかったけど、制圧感すごかった。吉村澤部を向こうに回してあんな感じになるのかと。
編集S それはいいとして、内容的にはどうです?
新越谷 ウソ言ってないなと思ったんですよね。くるまが、ウソ言ってない。あと澤部のチョイスに緊張感があってよかった。
編集S ケムリにほめられたとこですよね。
新越谷 そうそう。令和ロマンが、吉村、澤部、若林をホメるところで、ケムリが澤部のすごさを説明して、澤部にとってはもっとも言われたいやつが出たわけじゃないですか。