結婚をすると補助金が受け取れる制度があることをご存じですか?内閣府は、少子化対策の1つとして結婚にかかる負担を軽減するため、新婚世帯に引越し費用や家賃などに対する経済支援を行っています。支援事業の拡充も検討されているため、結婚をするときに損をしないように、参考にしてみてください。
結婚したら家賃補助がある!どういうこと?
結婚は慶事ですが、披露宴や新生活などコストがかかる部分も多いですよね。会社や自治体では、結婚をした人に対するお祝いとして一定の金額を給付することがあります。
また、内閣府では「結婚新生活支援事業」を行っており、住んでいる市区町村がこの事業を行っていれば新居の家賃などの補助が受けられます。それでは、内閣府が行う事業の対象となる条件や、補助金額などの詳細をご紹介します。
これまでの支援事業とは?
結婚や子育てにともなう経済的負担というハードルを軽減するために、「結婚新生活支援事業」を行っている自治体があります。この支援事業は、新しく婚姻関係を結んだ日の年齢がともに34歳以下の夫婦が対象で、結婚によって発生する家賃などの住宅賃借費用や引越しの費用を補助する制度です。
また、世帯の所得が340万円未満であることも条件となっており、1世帯あたりの支給額は上限30万円です(市区町村によって上限額が異なる場合があります)。
「地域少子化対策重点推進交付金」を国が地方自治体に支払い、各世帯へと補助金が支給されるため、支援を受けるには、対象者が自治体に申請することが必要となります。
2021年度の支援策はどう変化する?
内閣府では、現行の結婚にともなう新生活への支援事業のさらなる充実を計画しています。晩婚化が進んでいることから、2021年度からは支援対象となる年齢を39歳以下に引き上げる検討をしています。
現行の支援対象条件である世帯所得340万円は給与の場合で、年収に換算すると約480万円。今後の支援策では、世帯年収を540万円未満に緩和すること、補助金の上限額を30万円程度から60万円程度にする調整も行っています。
現行 | 2021年度(調整中) | |
---|---|---|
年齢 | 34歳以下 | 39歳以下 |
世帯年収 | 480万円未満 | 540万円未満 |
補助金の上限 | 30万円 | 60万円 |
支援策が誕生した背景とは?
このような支援策が誕生した背景には何があるのでしょう?
国立社会保障・人口問題研究所が2015年に実施した「社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」では、結婚する意思のある未婚者に「1年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるか」という質問をしています。その結果、男性の43.3%、女性の41.9%が「結婚資金」を挙げ、もっとも多い割合を占める結果となりました。
こうしたことから資金が貯まるまで、結婚はしない(できない)カップルが多く、少子化の要因の1つと考えられる非婚化・晩婚化に拍車をかける結果につながっているのではないかと推察することができます。
こうした現状を打開するために、国は少子化の対策に重点を置き「希望出生率1.8の実現」を掲げています。少子高齢化対策として、子育て世代を支援する施設の設置や不妊治療の支援などのほかに加えられたのが結婚支援の充実です。
内閣府は少子化対策として、「希望する年齢で結婚できる環境」を整備する必要があるとしています。そこで、結婚により新しい環境で暮らすための助けとなるよう、家賃支払いなどのコストを支援する地方自治体に対して「地域少子化対策重点推進交付金」によって補助しています。