これまでの著者主導の「自費出版」でもなく、出版社が主導で企画を行う「企画出版」でもない、著者と出版社の双方が協力して本を制作・出版する「共創出版」という新たな出版方法を取るハレル舎から、共創出版の第1弾となる、斎木 千桜子さん・著の書籍「潜在意識のちびちゃんワーク」が、9月に発刊された。

ハレル舎は、東京都国立市の「くにたちビジネスサポートセンター Kuni-Biz」が支援する市内事業者であり、今年5月に法人登記を行った設立間もない出版社だ。

子育て・人間関係に悩む人を対象とした書籍

「潜在意識のちびちゃんワーク」著者の斎木さんは人気メンタルコンサルタント。本書は、読者が本の中にあるワークシートを使いながら、自分の性質を知り「潜在意識」にアクセスすることで、隠れていた自分の本音に気づきを与える内容となっており、子育てや人間関係に悩む人たちを対象にしている。

全国の書店で販売されており、Amazon「社会心理学(本)」売れ筋ランキング第9位に入っている。

「共創出版」という新たな方法

業界では、著者が自ら費用を負担して出版する「自費出版」と、出版社が費用を負担するかわりに出版社の意向が強く反映される「企画出版(商業出版)」の2種類がある。

自費出版は著者が、書籍の内容やデザイン、印刷部数のすべての決定を行うことができる一方、印刷費や編集費、デザイン費、プロモーション費など、出版にかかる全ての費用を著者が負担するため、出版に伴う費用が回収できないというリスクがつきまとう。

「企画出版」は、その逆で、費用は出版社が負担し、デザインや編集、プロモーションといった専門性の高いノウハウも出版社が提供し、著者は基本的に執筆に集中することができる。しかし、出版社に編集の主導権があるため、著者の意向が反映されづらかったり、出版社側の判断で出版が実現しなかったりする場合もあるという。

こうした出版方法の二者択一の選択肢の狭さが出版への足かせになっている現状があり、ハレル舎ではその中間点ともいえる、「共創出版」という新たな方法で、出版ニーズを掘り起こしている。

費用や出版にかかるノウハウや専門性も分担