ダンサーだというタマッチとルーリー(みりちゃむ)、スズリン(岡本夏美)が踊るパラパラを、なんとも微妙な表情で見ている結ちゃん。当然、覚えられるわけはありませんが、気に食わないタマッチはどこかへ行ってしまいます。

 わざわざ連れ出しといていったいなんなんだという気分で糸島に戻ってくると、今度は駅前でパパ(北村有起哉)が待っています。「心配だったから」「あゆは朝帰りとかしてたから」穏やかな表情で軽トラの荷台に自転車を乗せるよう促すパパでしたが、もう嫌になっちゃった結ちゃんはヘルメットをかぶり、パパをほっといて自転車で帰るのでした。

 どいつもこいつも、あゆあゆあゆあゆ、のどかな田園風景に、結ちゃんのむせび泣く声だけが響きます。で、次回へ。

■自転車で整う

『おむすび』では、ひんぱんに結ちゃんの自転車シーンが描かれます。ひとりで自転車に乗って家に帰る畦道が、結ちゃんにとって唯一、感情を解放できる時間のようです。

 イケメン先輩といい感じになった日はニヘラニヘラと笑っていますし、ギャルたちと何かあったら怒ったり泣いたり。その回の結ちゃんの感情のダイジェストとして、自転車シーンが配置されているわけです。

 今回、正直言って結ちゃんがどういう気分でリサポンに言われるがまま天神に付いていったのか、よくわからなかったんです。パラパラを見て何を感じたのかも、あゆと比較されて何が嫌だったのかもよくわからない。結ちゃんここまで「ギャル大嫌い、お姉ちゃん大嫌い」とセリフでは言ってますが、何がそんなに嫌いだったのかよくわからない。ギャルと打ち解けた日にはお姉ちゃんの部屋で鏡の前に立ってひまわり付けてたりもしたし、そんなに嫌がってる感じがしなかった。

 それが、この自転車シーンでの嗚咽によって、ああ、すごく嫌だったんだなとようやくわかった感じ。

 もう2週目ですし言っちゃうけど、結ちゃんに愛すべき要素を見出すのがけっこう難しくなってる気がします。流されて書道部、流されてギャル活動、たまに発作的に人助け。むしろ今回は結ちゃんにイラついているタマッチのほうに共感してしまうくらいでした。