そして脚本家にとって最大のロマンとは、強い思いを抱いた無責任で幼稚な主張が、そのまま形を変えずに世の中に受け入れられていくことにあります。折れたくない、曲げたくない、だけどみんなに話を聞いてほしい、みんなに受け入れてほしい、そういう矛盾めいた道を歩き始めることが、脚本家を目指すということなのです。
このドラマの脚本は松島瑠璃子さん。存じ上げませんが、お名前から判断するに、おそらくは女性の方でしょう。すごく、乗せてるなと感じたんです。リョウというキャラクターに、魂を乗せてる感じがすごく伝わってくる。
「日ドラ1030」枠というマス中のマスで、自分が魂を乗せたリョウというキャラクターの主張を「マスには届かない」と言い切って始まった『若草物語』というドラマ。どちらかというと、「女性の価値観」というより「創作における価値観」を巡る戦いの物語になりそうな気配です。
(文=どらまっ子AKIちゃん)