なたねきんとん:菜の花が一面に咲いた野原にちなんだ和菓子

青色のきんとんの上に黄色のそぼろを散らせた和菓子です。別名「菜の花きんとん」とも呼ばれます。春の風景が思い浮かぶような爽やかな見た目が素敵です。茶の方では利休忌までは席に入れないこととされています。

ベニエ:「揚げた生地」を意味するペイストリー

生地を油で揚げたお菓子で、メープルシロップや果物を詰めたものも多い揚げ菓子です。フランスでは果物を詰めて揚げたペイストリーの総称を「ベニア」とよんでいます。

古代ローマで生まれた揚げた果物を副菜として食べる伝統が元と言われている、歴史あるお菓子なんです。シュー生地を揚げたものとパン生地を揚げたものの2種類があります。

ボネ:イタリア発祥のココアプリン

イタリアのトリノ名物として有名なお菓子で、チョコレート風味のココアプリンです。アーモンドプードルを使ったアマレッティというビスケットや、マカロンを砕いて加えるのが特徴です。ビターな味付けが多く、大人なデザートとして知られています。

アマレッティ:「少し苦い」を意味するイタリアの伝統菓子

イタリア語で「少し苦い」という意味の「アマレッティ」は、その名の通り本場ではスイート種だけでなくビター種のアーモンドを入れて作られます。メレンゲ菓子の一種で、通常のクッキーよりも軽い口当たり。

バターやマーガリンは使用せず、小麦粉の代わりにアーモンドプードルを使用するのが特徴。さらに柔らかい「バーチ・ディ・ダーマ」というお菓子もあります。

ガトー・バスク:北バスク発祥のお菓子

「バスクチーズケーキ」でも有名な、フランス領バスクラブール地方発祥のお菓子です。厚めにのばしたアーモンド入りクッキー生地に、カスタードクリームやサクランボのジャムを挟んで焼き上げたもの。

本場では、この地方の特産品のダークチェリー「スリーズ・ノワール」を入れ、表面にローブリューと呼ばれる飾りをつけて焼き上げられます。素朴で美味しい味わいです。

スフォッリャテッラ:「ひだを何枚も重ねた」を意味するイタリアの焼き菓子

イタリア、ナポリ地方の名物の焼き菓子で、「ひだを何枚も重ねた」という意味の名前のお菓子です。アマルフィ地方の「リマの聖ローサ修道院」が発祥だと言われており、誕生は17世紀だという説があります。

貝殻をかたどった何層にもなったパイ状の生地の中に、カスタードクリームやアーモンドクリームを入れて焼き上げます。「ババ」と並んでナポリの二大絶品ドルチェと言われています。

パンドーロ:「黄金のパン」が由来のイタリアのお菓子

玉子による黄金色で、バニラの香りのするパンのようなお菓子です。イタリアのヴェローナの手土産として知られ、クリスマスに親しまれています。

元となったものの発祥は古代ローマだと言われており、現代につながるレシピのものは13世紀にイタリアの貴族に出されていた「pane de oro(黄金のパン)」なのだとか。レシピの工程が多く、作るのが大変だと言われています。

いのこもち / げんちょもち:猪の子供の形の和菓子

亥の子に際して作られるおもちです。色や模様を猪の子に似せて付けたものや、猪の姿の焼印を押したものなど様々で、地方によっては単に紅白の餅であることもあります。形や色のほか、材料も決まっていません。

別名「厳重(げんじゅう)」とも呼ばれ、亥の子(旧暦10月(亥の月)の亥の日)の亥の刻(午後10時ごろ)に食べられます。

きみしぐれ:時雨に見立てた和菓子

蒸した時に表面にできる亀裂が、時雨る時の空の様子に似ていることから名付けられたお菓子です。餡に卵黄を混ぜるため、「黄身しぐれ」と言います。

通常はこし餡を入れますが、中身は他の場合もあり、生地の割れ目から緑の餡が覗き、芽吹く草木を思わせる春らしい様子から、春には抹茶が人気のようです。

トゥロン:焼くを意味する南ヨーロッパのヌガー菓子

南ヨーロッパのヌガー菓子で、「トゥロン」はスペイン語、イタリア語では「トローネ」と呼ばれています。スペインやイタリアで伝統的なクリスマスの菓子として食べられているお菓子です。

ラテン語の「焼く」という意味の「torrere」が名前の由来。ハチミツと砂糖、卵白、焙煎したナッツ類でできたものが一般的ですが、作られる地域によって様々なバリエーションがあります。