4日にアメリカのスポーツ専門局「ESPN」が報じた、巨人・菅野智之の「メジャー移籍」。翌5日には菅野自身がスポーツ紙の取材に応じ、「球団には自分の意向を伝えさせてもらって、向こう(米メジャーリーグ)でプレーする気持ちでいるので」と今オフでのメジャー移籍を希望していることを明言した。

 今季、菅野は156.2イニングを投げて15勝3敗、防御率1.67という成績。先発投手として巨人を優勝に導く大車輪の活躍を見せた。シーズン前にリリーフ転向もささやかれていたことを考えれば、完全復活を遂げたといっていいだろう。

 だが、菅野も間もなく35歳。念願のメジャー移籍実現は遅きに失したという印象が否めない。

 元来、メジャー志向が強い選手だった菅野だが、巨人はポスティング移籍には特に慎重な姿勢を見せる球団。それでも4年連続2ケタと全盛期にあった2020年にポスティングによる移籍を試みたが、当時はコロナ禍もあってメジャーのFA市場が冷え切り、交渉をまとめることができなかった。

 その年、複数年契約を蹴って単年8億円(推定)の契約を結んだ菅野だったが、翌21年シーズンは6勝7敗と大ブレーキ。22年には10勝を上げたものの、23年には再び4勝8敗と低迷していた。年俸も下がり続け、今季は半値となる4億円だったとされている。

 今オフ、菅野のメジャー移籍が成功するとした場合、どれくらいの規模の契約になるのだろうか。

 先発投手のFA市場では、今季15勝を上げたコービン・バーンズ(ボルティモア・オリオールズ)、13勝のジャック・フラーティ(ロサンゼルス・ドジャース)、16勝のザック・ウィーラー(フィラデルフィア・フィリーズ)、11勝のマックス・フリード(アトランタ・ブレーブス)といったビッグネームが並ぶ。いずれも巨額な長期契約となることが予想され、菅野が狙うのはこうしたビッグネームを取り逃がした球団、あるいは高額ギャラに手が届かない球団ということになる。