東京都水道歴史館にて、江戸時代の水道の記録『上水記』の実物一般公開と、特別企画展「上水記展-江戸の二大上水 玉川上水と神田上水-」「子ども水道れきしてん いろいろな『じゃぐち』」が、10月26日(土)~11月4日(月)の期間開催される。

一見の価値がある『上水記』

『上水記』

井の頭池(『上水記』第6巻)

寛政3年(1791)に完成した江戸時代の水道(上水)の記録であり、東京都指定有形文化財「古文書」でもある『上水記』。3部作られたが、全10巻が全て揃って現存するのは東京都水道歴史館所蔵品のみだ。

年に1回期間限定で『上水記』の実物公開を行っており、なかでも第2巻の「玉川上水水元絵図并諸枠図」は、多摩川に造られた羽村取水堰を縦135.5cm×横514cmの大紙面に精緻かつ鮮やかに描いたもので、一見の価値がある。

小学生向けの水道歴史展も開催

毎年様々な視点からアプローチしている、特別企画展「上水記展-江戸の二大上水 玉川上水と神田上水-」では、今年は「江戸の二大上水」をテーマに、『上水記』で当時の玉川上水と神田上水がどのように記録されたのか、描かれた図面等とともに紹介。

また、例年「上水記展」と同時開催している水道歴史展では、今年は趣向を変えて「子ども水道れきしてん」と題し、「子ども水道れきしてん いろいろな『じゃぐち』」として、普段何気なく使っていて小学生にもなじみ深い「蛇口」を取り上げる。

「『じゃ口』ってなぁに?」「じゃ口のうつり変わり」など、昔の東京でどのような蛇口が使われていたかを紹介。蛇口(単水栓)の仕組みが分かるカットモデルも展示され、蛇口が出てくる本・絵本のコーナーも用意されている。

展示内容は、主に小学4年生を対象にしているとのことだ。

東京都水道歴史館について

1Fエントランス

『上水記』の実物一般公開や、特別企画展「上水記展」を行う東京都水道歴史館は、東京都水道局のPR施設。JR・地下鉄各線の御茶ノ水駅、本郷三丁目駅等より徒歩約8分に位置しており、神田上水や玉川上水などの江戸上水から近代水道の創設、現在の水道に至るまで、約400年にわたる東京水道の歴史と技術を紹介している。