「実はあのハンバーグやナポリタン、僕のためじゃなく、不倫相手にリクエストされて作っていたんですよ。僕は単なる練習台だったんです。なのにあんなに喜んで…本当にバカですよね。恥ずかしいです」
翌朝、妻にLINEを見て不倫を知ってしまったと話す浩之さん。
「M美は全くあわてず『そう…』と静かに言っただけで、言い訳も謝りもしなかったんですよ。なんか全てあきらめたような顔をして」
いたたまれなくなった浩之さんは、家を出たそう。
「とりあえず頭を冷やそうと、3日間程家に帰らずホテル暮らしをしました。でも、やっぱり気持ちは落ち着かず、M美と話し合うのも怖くて、友人に泣きついてしばらく泊めてもらう事にしました」
それから、妻がパートに行っている時間を見計らって、荷物を取りにいく以外は帰っていないそう。
「しばらく現実逃避して、気持ちが落ち着いたらM美に連絡したいと思っています。え、M美からですか?全く連絡ないですね」
「もしかしたらあの女性は、パート先の人で…バレバレの不倫をしていたM美にムカついて僕のところに来たのかもしれませんね」とため息をつく浩之さんでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop