そして、宮原が主宰する晩餐会が始まります。宮原こだわりのローストポークをメインディッシュにした豪華ディナーなのですが、いちいち宮原のうんちくコメントが入り、ちさと&まひろはぐったりしてしまいます。自分の好きなものを、気の合う仲間と一緒に気を遣うことなく楽しみたいと考えている2人にとっては、最悪のシチュエーションです。おそらく、2人は食べた料理の味はまるで覚えていないことでしょう。飯テロ系ドラマとして親しまれていた『ベビエブ』ですが、第4話はこんな席にはいたくないという「地獄の食事会」が描かれています。

 それにしても、伝説の殺し屋・宮原を演じる本田博太郎の存在感はさすがです。さまざま作品に出演してきた大ベテランですが、若手時代は新劇出身の二枚目俳優として期待されていました。しかし、クセのある役を好んで演じてきたこともあって、今では映画やTVドラマに欠かせない名バイプレイヤーとなっています。工藤栄一監督が手掛けたテレビ時代劇『必殺仕舞人』(1981年)では、京マチ子ら女たちの旅回り一座に同行するビビリの元渡世人役でレギュラー出演していたことが思い出されます。

 本田博太郎の役者バカぶりをたっぷり堪能できるのは、佐藤純彌監督のSF大作『北京原人 Who are you?』(1997年)でしょう。3時間にわたる全身特殊メイクで、現代に甦った北京原人「フジ・タカシ」を熱演しています。さらに那須博之監督の実写映画『デビルマン』(2004年)には、デーモン族復活の元凶となる飛鳥教授役で出演しています。超大コケした2大カルト映画に出演している稀有な俳優、それが本田博太郎です。ちさと&まひろにとって「よく分からないけど、えらい人」という宮原役は、まさに適役だと言えるでしょう。

 そんな本田博太郎演じる宮原は、SNSが大嫌いという設定です。スマホなしの生活は考えられないSNS世代のちさと&まひろは、世代の大きく異なる宮原とどう折り合いをつけるのか、それとも対立することになるのか。10月2日(水)放送の第5話以降の展開に注目です。

池松壮亮と伊澤彩織のバトルがものすごいことに