清少納言が書いた『枕草子』が宮中で評判となる。一条天皇も心を癒されていた。
しかし、このことによって「物語」に力があることが証明されたわけだ。
まひろがその力を発揮するときが近づいている。
◆「この夏……我らの命も持たぬやもしれぬ……」
為時(岸谷五朗)のセリフにここまで共感したことはない。2024年の夏、我々も「この夏、命持たぬやもしれぬ」と思っていたが、1004年も人々は同じことを思っていたらしい。都を干ばつが襲っていたのだ(当時の気温は何度ぐらいだったのだろう……)。
為時の屋敷でも井戸が涸れてしまい、まひろ(吉高由里子)たちは命の危機を感じていた。
一条天皇(塩野瑛久)が雨乞いをしたものの効果はない。帝が雨乞いをするのは200年ぶりだったというのに。
そこで道長(柄本佑)は隠居していた安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に頭を下げた。晴明が雨乞いする以外に手立てはない、と。道長が自分の寿命を10年差し出したのを引き換えに雨乞いをした晴明。見事、恵みの雨が降り出した。晴明って本当にとんでもない人なのだ。そうなると、本当に道長の寿命も10年奪っているのだろうな……。
◆広まる、『枕草子』
伊周(三浦翔平)の尽力もあり、清少納言(ファーストサマーウイカ)の書いた『枕草子』が宮中に広まっていた。一条天皇も『枕草子』を読んでおり、亡き定子(高畑充希)に想いを馳せていた。
「生まれ変わってまた定子に会い、心から定子のために生きたい」と言う一条天皇に「どうぞ華やかで楽しかった日々のことだけをお思いください」と伊周が言う。
でも、帝たるものそれだけではいけないのだけれど……ふたりのやりとりを聞いていた隆家(竜星涼)はなんとなく腑に落ちない表情をしている。彼としては、過去ばかりを考えている一条天皇が理解できないらしい。