◆担当医になる人を徹底リサーチ

 次回の診察を担当するS先生の情報はないかと病院内を探しているときに、S先生が行うという患者向け説明会のチラシを発見。直接S先生を見られるチャンスなので、先生を見てみて、またA先生のような雰囲気だったら、別の病院に行くことを考えようと思って、参加申し込みをしました。

 数日後、説明会の日がやってきました。会場に現れたS先生は、線の細い、優しそうな先生。A先生とは真逆のイメージです。手術を目前に控えた患者に向けた説明会なので、まだ私には分からないこともありましたが、先生の対応を知りたくて1つ質問をしてみました。すると、とても親切で丁寧に答えてくださりました。先日の初診のときの不安が、スゥっと消えるような気持ちでした。

 担当医がこのS先生ならいろいろ相談ができそうな気がする。そう思って引き続きこちらの病院で検査を受けることにしました。このS先生との出会いが、運命の出会いでした。S先生のおかげで、すべての乳がん治療を納得して受けることができたと思います。

 ショッキングなスタートから、なんとなく幸先が良い感じに。乳がん治療というレアな体験を、せっかくなら楽しんでやろうじゃないの、という前向きな気持ちに変わっていきました。

<文/塩辛いか乃>

【塩辛いか乃】

世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako