ただ、成人しているのだから、自分の体のことを自分で決める!という意思はもってほしいと思います。親だろうがパートナーだろうが口を出す権利はないですし、自分の身体のことは自分が責任を持つべきです。
「私の身体のことは私が決めます」とはっきり伝えた上で“あなたが思ってるような危険な薬ではないよ”と説明できる範囲内で伝えてみてはいかがでしょうか。
◆低用量ピル・黄体ホルモン製剤と更年期&閉経
――低用量ピルや黄体ホルモン製剤は閉経のタイミングで服用を止めるとされていますが、服用中は生理が止まっているため、いつまで飲めば良いのかわからないと悩む方も多いようです。
宋先生:閉経の平均が50歳ぐらいなので、45歳~55歳ぐらいを目途にやめましょうとお伝えすることが多いですね。あるいは、血液検査で女性ホルモンの数値を確認して判断することもあります。
――多くの女性が悩まされる「更年期障害」ですが、これは体内のエストロゲン量が急激に減少することで起きるとされています。ということは低用量ピルを服用している限り、更年期障害にはならないと考えて良いのでしょうか?
宋先生:理論上は更年期にならないホルモンバランスにはなります。理論上更年期障害は起こらないかもしれないけど、老化は起こりますし、低用量ピルは更年期に補充する量にしてはエストロゲン量が多すぎるんです。
量が多すぎるということは血栓症のリスクが高まります。そのため、私は45歳ぐらいまででエストロゲンの入っていない黄体ホルモン製剤に切り替えることを推奨しています。
◆納豆と水分補給では血栓症は防げない
――低用量ピルを服用している際に最も気をつけなければいけない血栓症ですが、納豆を毎日食べて水分補給もしっかりしているという方なら防げるものなのでしょうか?
宋先生:納豆や水分程度では追いつかないくらい血栓ができる恐れがあるので、全く防げないですね。ないよりはいいかもしれないけど、気休め程度です。