――基本的には30代以下の方にはピルを処方するとのことですが、10代で月経困難症やPMSに悩んでいる方に黄体ホルモン製剤を処方するケースもあると聞きます。
宋先生:10代の方には低用量ピルでもいいんですけど、保護者の方が低用量ピルに抵抗がある場合には黄体ホルモン製剤を処方し、「これはピルじゃないですよ」とお伝えすることがあります。まだまだ低用量ピルを危険な薬だと勘違いしている方が多いので、やむを得ずという感じですね。
◆太る? 乳がんになりやすくなる? ピルの勘違い
――確かに、低用量ピルについてインターネットなどで検索をすると「太る」「乳がんになる」など不安を煽るクチコミ情報が多く目に付きます。
宋先生:1999年に低用量ピルが承認される前に一般的だった、エストロゲン量が多い「中用量ピル」を服用すると太るということもありました。
エストロゲンが多くあると太ることもあるのは確かです。しかし、低用量ピルに含まれている程度のエストロゲン量では太ることはないとされています。モデルさんも多く飲んでいますよね?
それでも太ったと感じる方がいるのであれば、低用量ピルを飲む前は体調が悪かったけど、低用量ピルを服用後はPMSもなくなり、毎日が健康でご飯が美味しい!と食べる量が増えて太った……ということだったりするのではないでしょうか。
◆黄体ホルモン製剤は肝臓に悪い?
――低用量ピル自体に太る副作用は認められていないということですね。黄体ホルモン製剤についても「更年期障害のような症状が出る」「肝臓に悪い」といったうわさがネットでありますが……。
宋先生:黄体ホルモン製剤の容量が多いものを飲んでいる方には更年期症状に近い症状が稀に出る方はいます。ただ、飲んでみないとその症状が出るかどうかは分からないので、お医者さんと容量について相談してほしいですね。