◆いつの間にか敵を作っていくことに

倫子としては当然おもしろくはないだろう。その場を中座する。倫子ほどの人が、道長とまひろの関係に全く気付いていないわけがないのだ。多分。

赤染衛門がこっそりとまひろに道長との関係を問う、というシーンで終わったが、うーん、穏やかではない。

NHK『光る君へ』第36回
また、一方で清少納言(ファーストサマーウイカ)が「源氏物語」を書いたのがまひろだと知る。彰子と一条天皇の心を近づけるきっかけとなった物語を、友だと思っていたまひろが。清少納言からすれば、愛する定子から帝を奪った、と思っても仕方がない。わなわなと震える清少納言の頬。その表情に込められた思いは想像に難くない。

気づけば、いろんな人から良くない感情を向けられつつあるまひろ。おおよそは道長のせいのようにも思うが……。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】

大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ