韓国をルーツのひとつとして持つジョーが「ヨブセヨ(もしもし)」「カムサハムニダ」など韓国語を口にし会場を盛り上げると、続いて「A Place for My Head」を披露。

さらに、コリンが会場の手拍子を煽って始まったのはアップテンポな「Given Up」。電子音を使用しない間、DJであるジョーはカメラを手にステージ中を歩き回り、会場の大画面にはそのダイナミックなカメラワークが展開した。

One Step Closer」では真っ赤染まったステージの上で会場とともに叫び声を上げるエミリー。シャウトの迫力も始動時から大きく強化されているのは明らかだ。

<崩壊>を経た彼らの強く美しいメロディー

「One Step Closer」の最後の“Break”(壊れる)に呼応するように始まる3番目のパートは、<Collapse>(崩壊)と呼ばれる。映像には大きなヒビが入り、ステージはブラックアウトした。

前ボーカル、チェスターを失い、今年まで7年間楽曲をリリースしなかったリンキン・パーク。これまでの彼らには二度と戻れない状態は、メンバーにもファンにも深い悲しみをもたらした。悲しみと停滞を表すように、ヒビ割れが映った画面と悲壮的な音はしばらく続いた。

その後に披露したのは、「Lost」。原曲とは異なり、エミリーとピアノを弾くマイクとエミリーによるピアノ・デュエットバージョンだ。会場をしっとりと浸らせたピアノのメロディは「Breaking the Habit」のイントロに繋がった。楽器隊のサウンドが比較的静かなこの曲ではエミリーの声の圧力が非常に際立った。

さらに「What I’ve Done」でもエミリーが力強いボーカルを響かせ、“崩壊”後のバンドを支える要となる彼女の実力と決意がひしひしと伝わった。

フェニックス(Photo Credit:1ssul)

フェニックス(Photo Credit:1ssul)