新越谷 なんかもう、こういう場合ね、何のひねりもなくストレートにズドンと飾り気のないメッセージってやりたいところだと思うんですけど、ひねるんですよね。「乱数調整」のラストとか、「みどり」の縦読みとか、今回の「言葉を書こう」とか、ちょっと普通に思いつかないようなアイディアを出してくる。お笑いとは違うチャンネルだけど、自分の持ってる全部を使ってるという、そんな感じ。

編集S ああー、確かに、一歩間違えたら悪ふざけに見えてしまう。

新越谷 そうなんですよ、そういうところスゴイと思うんです。「ヒロトや亮君のマネごと」って批判を蹴散らす、圧倒的なオリジナリティ。

編集S そのうち映画とか撮るんですかね。

新越谷 ほっとかないでしょうね、これだけのものを出されると。

■『テレビ千鳥』にキム兄

編集S ちょっと力抜いていきましょう。『テレビ千鳥』のキム兄。

新越谷 カレーかけたらなんでも旨いんじゃのやつ。

編集S いちばんヒヤヒヤする人ですよね。冷凍チキンとかぶつけられそう。

新越谷 「殴る」って単語が何回出てきたか。

編集S 思ったより平和に終わりましたよね。

新越谷 それが今の千鳥の立ち位置なんでしょうね。キム兄でさえ、あんまし強くはいけないという。キム兄が忖度して、とかいうことでなく、かわいいしがんばってるからという意味ですけど。

編集S それにしても、あの二重ドッキリはホントに要らないですよね。昭和の名曲を選ばせるやつ。

新越谷 いや、実はあれがけっこう緩衝材になってると思うんですよ。

編集S そうなんです?

新越谷 最初から「料理を作ってもらう」っていう企画だと、ゲストも準備しちゃうでしょう。テレビで千鳥に料理を食べさせるとなると、食材だって選びたいし、パン生地をこねてくる人とかもいるかもしれない。生きた魚を持ってきてその場でさばく人もいるかもしれない。

編集S あ、なるほど。

新越谷 あくまで、その場で用意された食材で急に手早く作るという設定を挟むことで、出てくるメニューをある程度、制作側でコントロールできる。前回前々回も含めて、パスタが多いのはそういうことだと思うんです。