創業1811年、山形県の老舗和洋菓子専門店「杵屋本店」が製造する山形県で55年愛される看板商品「リップルパイ」が、9月25日(水)〜10月22日(火)に開催中の三越伊勢丹「菓遊庵」の企画『三越旬歳時記「木の実・草の実・花の実」』に初登場している。

発売から55年以上愛される山形の銘菓


杵屋本店の看板商品「リップルパイ」は、杵屋本店が戦後、宮内本店から山形市旅籠町へ進出したのちに新商品として出したお菓子。1968年の発売から55年以上愛される山形の銘菓だ。当時の流行となっていた「アップルパイ」に負けない和洋折衷のパイ菓子を作りたいとの想いで、杵屋の伝統であった「自家製餡」を活かし、山形で山の幸として親しまれていた「くるみ」を餡に練りこみくるみ餡に仕上げ、豊潤な旨味のバターのパイ生地で包み焼き上げた。美味しさに磨きをかけるため、開発に3年の期間を要し発売に至ったという。

発売から累計2000万個を販売

しっとりとした自家製餡とくるみのハーモニー、そしてサクサクのパイに包まれた「リップルパイ」は、1968年に発売するやいなや大ヒット商品となり、当時1日1万5000個を売上げるという記録的な売上を記録。当時は山形のどこの家に行っても「リップルパイ」があるような状況だったそうだ。

そして、2024年現在で発売から累計した販売数が約2000万個を突破。山形県民102.8万人が生涯に1人あたり19.6個も食べるという銘菓に成長している。

「リップルパイ」の美味しさの秘密


そんな「リップルパイ」が愛される理由は、その「美味しさ」にある。

江戸時代の創業より守られる伝統の「自家製餡」は、豆を素材から仕入れ、茹で上げ、丁寧に皮を剥く「なま餡」を作るところからスタート。この「なま餡」から自家製餡を行う菓子店は、手間がかかる上に特殊な設備も必要なため、実に全国の1割しかないという。

練りこむくるみは、世界的に高品質と評価されるカルフォルニア産のものを生で仕入れ、自家焙煎し、餡に練り混んでいる。