日本テレビ系の夜の報道番組『news zero』の新たな曜日パートナーとして、10月から長濱ねる、篠原ともえ、東京五輪スポーツクライミング女子複合の銅メダリスト・野口啓代が出演することが23日に発表された。同番組は今春のリニューアルから視聴率が下降傾向にあるが、今回の曜日パートナーについても「人選が謎」と否定的な見方が多く、迷走ぶりが浮き彫りになっている。

 同番組は長らくメインキャスターを務めていた元NHKの有働由美子アナが降板し、今年4月より元日テレエースでフリーになったばかりの藤井貴彦アナにバトンタッチ。藤井アナは夕方のニュース番組『news every.』でメインを務めた実績があり、抜群の好感度と経験の豊富さで期待を集めた。

 ところが、リニューアル後に各年代で視聴率が約1割ダウンし、猛烈に追い上げてきた同時間帯のライバル番組『news23』(TBS系)に近年重視されるコア視聴率で肉薄される事態になっていると報じられている。

 この失速の大きな要因として指摘されているのが、リニューアルの肝だった藤井アナの起用だ。藤井アナは誰もが認める「好感度アナ」だが、爽やかであるがゆえに「夜の番組に合っていない」との声が多く上がっている。夕方の『news every.』にはピタリとハマっていたが、『news zero』においては「違和感がある」という人が少なくないようだ。

 もう一つの視聴者離れの要因とみられているのが、先述した曜日パートナーの人選だ。リニューアル後、曜日パートナーは3カ月ごとの交代制になり、4月~6月は波瑠、シシド・カフカ、板垣李光人、7月~9月は水野美紀、加藤清史郎、東京オリンピック空手女子形の銀メダリスト・清水希容が起用された。

 かねてから同番組は「20~30代の視聴率が低い」という課題があり、その年代にとって親しみのあるタレントや元アスリートらを出演させることで、若者層を取り込みたいという意図があるようだ。