『金融男子図鑑』は、金融業界で働く若手の男性を紹介する企画です。第6弾は、シリコンバレー発、世界最大のアクセラレーター/VC(ベンチャーキャピタル)である「Plug and Play」の日本支社で代表取締役を務めるフィリップ・誠慈・ヴィンセントさん。世界中に広がるネットワークを活用して、日本と海外の大企業のスタートアップの架け橋となり、起業家をサポートしています!

プロフィール

(写真=森口新太郎撮影)

フィリップ・誠慈・ヴィンセントさん
所属:Plug and Play Japan
年齢:28歳
星座:おとめ座
血液型:O型
出身地:シリコンバレー生まれ、千葉県育ち
趣味:バスケットボール、旅行、ミュージックフェス、ウイスキー
略歴:サンディエゴ州立大卒後、米国で商社に就職し、2014年Plug and Play入社。17年から同社日本支社であるPlug and Play Japan代表。

VC日本代表としてスタートアップを支援

(写真=森口新太郎撮影)

ーー現在のお仕事内容を教えてください!

Plug and Playの日本支社は、昨年7月に設立した会社でもうすぐ1年になります。私がPlug and Playに入社したのは4年前ですが、日本支社の立ち上げと同時に日本に戻ってきました。Plug and Playでは、グローバルなスタートアップを支援しています。3カ月間のプログラムで、資金調達やサービス、リソースを与えて、大企業パートナーとの提携のお手伝いをしています。

ーー以前にも日本に住んでいたことがあるのですか?

はい。私はシリコンバレー生まれの日本育ちです。1歳になる前に日本にやってきて、小学校と高校は日本、中学校と大学はアメリカで過ごしました。環境を変えることに慣れている……というか、変えないと逆に安心しないんです(笑)。

ーー大学卒業後、そのままアメリカで就職したのですか?

サンディエゴ州立大学に行き、その後シリコンバレーにある商社の日本オフィスに就職しました。商社にいる頃は、とにかくあらゆることに携わっていました。いろいろなことを少しずつ知っておかなければ仕事が進みませんので。それが今の仕事に役立っているなと感じています。

ーー具体的に役立っていると感じる点はなんですか?

Plug and Play自体は、VCとして投資はしていますが、スタートアップ投資なのでどちらかというとテクノロジー業界の会社に分類されます。私は、フィンテック、保険テクノロジー、IoT、モビリティの4つのテーマのプログラムを担当しています。金融業界の大企業とも関わりながら、フィンテックのスタートアップビジネスとマッチングする仕事をしています。あらゆる業種と関わりを持つので、広い知識が求められます。その部分に、商社時代の情報収集との共通点を感じています。

「パッションのあるピッチ」はスタートアップに欠かせない

(写真=森口新太郎撮影)

ーー「起業したい!」と考えている女性へのアドバイスを教えてください!

女性に限ったことではないのですが、私たちが支援するのはシードのスタートアップがほとんどです。実績や技術があります!というよりは、プレゼンの内容と人で選ぶことが多いです。実行力がある、ビジネスプランがちゃんとしていること、チームのバランスが良いことなどが重視するポイントです。そして何より、“ピッチ”が大切です。パッションのあるピッチは、スタートアップに欠かせない要素です。

ーー良いピッチと良くないピッチの違いとは?

ストーリーが描けていることがキーになります。ピッチでは、アテンションをキャッチすることが大切です。世の中にはこういうニーズがあって、うちにはこういうソリューションがあります。だから、世の中をこのように変えていきますというストーリーがあるだけでいいんです。

ーーピッチで成功する企業を見分けるポイントはなんですか?

「これは儲かる!」と思わせることが大切だと思います。テクノロジーももちろん成功に必要なことなのですが、日本とアメリカの両方で多くのピッチを聞いてきた経験から言うと、インパクトを残すことも重要だと感じています。

ーー日本とアメリカのピッチの違いはありますか?

あります。日本はとにかく資料がきちんとしていて、文字がびっしり詰め込まれています。アメリカは大げさに聞こえるかもしれませんが、1スライドに1単語くらいの文字数で、あとはピッチでアピールします。どちらが正解!というわけではないのですが、興味を引くのはアメリカ式かなという気はしています。