「妻にできた子どもが、どうやら僕の子ではないかもしれない可能性があったんです。どうしても妻の妊娠のタイミングが、二人のタイミングと合わなかったんですね。

 結局問い詰めたところ、妻に浮気相手がいることが発覚したんです。一時、本当に離婚も考えましたが……僕たちは入籍したのがもう2年ほど前で、身の回りの人々も結婚式を楽しみにしているということもあり、結局離婚はせず、中絶手術することになったんです。

 それが結婚式の2週間前に発覚したので、手術後すぐのタイミングというのも微妙だろうということで、やむなく日程も変えることになりました」

結婚前に妊娠

◆不倫した妻を許した理由は“顔”

 浮気相手の子どもを妊娠したかもしれない妻を許して、子どもを堕ろした妻のために結婚式をリスケ。だいぶ心の広い旦那さんであるように感じますね…。

「妻はまだ若くて、今年で22歳なんです。頑張ればこれからまた子どもを作ることもできるでしょうし、僕にはもったいないくらい顔の可愛らしい女性なので……浮気があるのも仕方ないかなあ、と思ってしまいました。

 今はやっと結婚式も済んで、後悔はしていません。ゲストの皆さんには申し訳なかったですが…。両家の両親にもなんとか嘘を通しての日程変更だったので、やっと終わったという感じです」

 結局坂井さんが妻を許した理由は“顔”。それもちょっとどうかと思いますが、結婚式は二人だけで行うものではなく、両親や夫婦を祝う友人たちも、みんなで関わって作っていくものです。“申し訳なくて言えないし、嘘をつけばそれでいいだろう”でいいのでしょうか?

 それ以上に、妊娠や中絶と言った選択は、生死にも関わる大きな問題です。この夫妻は人として今後大丈夫なのでしょうか…なんとも将来が危惧される二人です。

―冠婚葬祭・式典のトンデモエピソード―

<文/ミクニシオリ イラスト/ただりえこ>

【ミクニシオリ】