あなたは詐欺に巻き込まれそうになったことはありますか?さまざまな手法で騙し取ろうとしてくる詐欺は、なかなか後を絶ちません。

今回はそんな詐欺のエピソードについてfuelle編集部が取材しました。

「車に接触しかけて転んだ」と言う若者に連れ回されて…

10年ほど前のことです。
一人で車に乗ってスーパーへ行き、買い物を終えて車に戻った時、ガラの悪そうな若者に声を掛けられました。
内容を要約すると「私が車を駐車場に入れる際、車に接触しかけて転び、その際に大事な指輪が傷ついた」ということらしいです。
自分もいまいち話がよく分からなかったのですが、彼が警察に行くと言うので同行することになりました。
今思えばその場で警察に通報すれば良かったのですが、彼が「直接交番に行く」と言い車に乗ってきたため、二人で出発しました。

私はその辺りの地理にはそれなりに詳しかったものの、彼が自分の指示で進めと言うため仕方なく指示通りに車を走らせました。
同じようなところをぐるぐる回った後、彼は「警察に行ったらお前の経歴にも傷がつくことになるから、警察に行くのはやめてやる。傷ついた指輪は100万近いが、その修理費に10万円をくれたらこの話は無かったことにする。」と言ってきました。
今思い返せば無茶苦茶な話ですが、もういい加減にこのやりとりを終わらせたい、解放されたいという思いが強くなってしまっていて、彼の指定通り10万円で手を打つことになりました。
「今は手持ちがない」と伝えると、「コンビニで下してこい」と言われたので、コンビニに行きました。

そのコンビニに思わぬ幸運が待ち構えていました。
コンビニに偶然巡回中の警察官が来ていたので、思い切って声をかけて事の顛末を話しました。
すると「最近、近隣で似たような事件が発生しているので巡回している」とのこと。
情けないことですが、ここでやっと自分が騙されていたと気付きました。
警察官が車に向かった頃には、もう彼は車から逃げ出していましたが、その後すぐに近隣で確保されたとのことです。
ただしその後、警察に車を調べられたり、事情を聞かれたりして、結局数時間はかかりました。

(40代・男性)